第254回日本泌尿器科学会岡山地方会

日 時: 平成14年12月21日(土) 午後2時
場 所: 岡山大学医学部図書館3階講堂
岡山市鹿田町2-5-1
TEL (086) 223-7151(内線 7056)

プログラム

一般演題

14:00〜14:50 座長 横山光彦(岡山大)

  1. 悪性褐色細胞腫の1例
    小林泰之,渡辺豊彦,武田克治,朝日俊彦(香川県立中央)

  2. 右副腎神経節神経腫の1例
    佐古真一,藤田竜二,赤枝輝明(津山中央)

  3. 悪性腫瘍との鑑別が困難であった後腹膜神経鞘腫の1例
    西山康弘,岸 幹雄(福山市民)

  4. 腎盂尿管癌の治療 ―当院での現状―
    伊藤誠一,渡邉雄一,光畑直喜(呉共済)

  5. 尿管に発生したリンパ上皮腫様癌(lymphoepithelioma-like carcinoma)の1例
    寺田直樹,松井喜之,大原宏樹,市岡健太郎,吉村耕治,寺井章人(倉敷中央)

14:50〜15:30 座長 陶山文三(三豊総合)

  1. 長期生存が得られているstageW集合管癌の1例
    三枝道尚,谷本竜太,眞鍋大輔,市川孝治,荒巻謙二(広島市民)

  2. 巨大水腎症に合併したBellini管癌の1例
    村田 匡(落合)
    中山恭樹,野田雅俊(姫路聖マリア)

  3. ハンドアシスト法を用いた後腹膜鏡下腎摘除術の経験
    宮地禎幸,小武家誠,三宅知子,別宮謙介(国立岩国)

  4. 腎癌に対するCTガイド下Radiofrequency Ablationの経験
    畑田倫宏,江原伸,那須保友,津島知靖,公文裕巳(岡山大)
    安井光太郎,金澤 右(同・放射線科)

15:30〜16:10 座長 古川洋二(笠岡第一)

  1. 1歳7ヶ月で手術を行なった先天性腎盂尿管移行部狭窄症の1例
    後藤隆文,秋山卓士,今治玲助(国立病院岡山医療センター・小児外科)

  2. サンゴ状腎結石に対してHo:YAG laserを使用したPNL,TULの経験
    皆木靖紀,由比浜真之介,藤井智浩,常 義政,小林達也,曽根淳史,森岡政明(川崎医大)

  3. 気腫性腎盂腎炎の2例
    井上高明,山田大介,陶山文三(三豊総合)

  4. 手術治療を施行した腎移植後太腿骨頭壊死症の3例
    渡邉雄一,伊藤誠一,光畑直喜(呉共済)
    住吉正行(同・整形外科)

休憩

16:30〜17:10 座長 小澤秀夫(岡山労災)

  1. 同時性泌尿器系三重複癌を含む四重複癌の1例
    野田雅俊,中山恭樹(姫路聖マリア),金谷欣明(同・外科)
    二部野肇(三原赤十字),津島知靖(岡山大),大林千穂(神戸大・病理)

  2. 胃利用膀胱拡大術を行った二分脊椎者の1例
    国富公人,小林正雄,石井亜矢乃,石戸則孝,高本 均(倉敷成人病)

  3. 骨盤内臓器全摘術後,Studerの変法により尿路再建を行なった直腸癌の1例
    那須良次,小野憲昭,坂本英起(高知県立中央)
    濱田 円,尾崎和秀,市川純一*,堀見忠司(同・外科,*現・第一病院外科)

  4. BCG膀胱腔内注入療法後に生じたライター症候群の2例
    高松正武,大枝忠史(尾道市民)

17:10〜17:40 座長 那須良次(高知県中)

  1. 腹腔内精巣に発生したセミノーマの1例
    藤田竜二,佐古真一,赤枝輝明(津山中央)
    近藤喜太,徳田直彦(同・外科)

  2. 難治性精巣腫瘍に対するPBSCT併用超大量化学療法の2例
    真弓友介,妹尾孝司,安東栄一,二ノ宮祐子,那須保友,津島知靖,公文裕巳(岡山大)

  3. ED患者に対する血管作動薬陰茎海綿体自己注射に関する自主臨床研究について
    永井 敦,井口裕樹,紙谷章弘,公文裕巳(岡山大)
    荒木 徹(あらき腎・泌尿器科クリニック)

特別演題

17:40〜17:50 司会 公文裕巳(岡山大)

糖尿病性膀胱機能障害に対する原因究明の試みと新しい治療概念
−Nerve growth factorを用いたin vivo gene therapyの効果−

佐々木克己(岡山大)

17:50〜18:20

日本泌尿器科学会西日本保険委員会報告

朝日俊彦(香川県立中央)
難波克一(岡山市)
赤枝輝明(津山中央)
津島知靖(岡山大)

 

19:00〜

懇親会 北京料理『八仙閣』

TEL (086) 231-8805

会費10,000円

特別演題

糖尿病性膀胱機能障害に対する原因究明の試みと新しい治療概念

-Nerve growth factorを用いたin vivo gene therapyの効果-

佐々木克己(岡山大)

糖尿病性膀胱機能障害は泌尿器科領域においてしばしば経験され、治療に難渋する病態の一つである。近年、糖尿病性膀胱機能障害を引き起こす神経障害の発生とその進行に、神経成長因子(NGF)の神経路内輸送能の低下が重要な役割を果たしていることが示唆されている。本研究においてはラット糖尿病モデルにおける膀胱および腰仙髄後根神経節組織中NGFレベルの経時的変化と膀胱機能障害の進行との関連性について検討し、さらに、NGFの膀胱知覚路における発現を企図とした単純ヘルペスウイルスベクター(HSV)による遺伝子治療の効果についても検討を加えた。メスSprague-Dawleyラットにストレプトゾトシン65mg/kgを腹腔内単回注入し糖尿病モデルを作成した。ストレプトゾトシン注入後3, 6, 9および12週目に膀胱およびL6-S1 腰仙髄後根神経節組織を摘出し、ELISA法を用いて組織中のNGFレベルを定量した。また、ストレプトゾトシン注入後6および12週後に膀胱内圧測定を含む膀胱機能実験を施行し、膀胱機能の変化と組織内NGFレベルの変化との関連を検討した。これとは別に、ストレプトゾトシン注入後8週目にラット膀胱壁に、単回のみの自己複製能を有するヒトNGF遺伝子を組み込んだHSVを注入し、その4週後(ストレプトゾトシン注入12週後)に、膀胱機能の改善の有無、ならびに、膀胱およびL6-S1 腰仙髄後根神経節組織内NGFレベルの回復の有無を確認した。糖尿病ラットにおいて組織内NGFレベルは経時的に減少し、それに伴い、膀胱機能障害は増悪した。NGF遺伝子治療を受けた糖尿病ラットでは、対照群に比べ組織内NGFレベルは有意に回復し、それに伴い、膀胱機能も改善した。以上より、糖尿病ラットモデルにおいて、膀胱およびその知覚神経を含む腰仙髄後根神経節組織中のNGFレベルの経時的な減少が糖尿病性膀胱機能障害を引き起こす重要な因子の一つと考えられ、HSVを用いたNGF遺伝子治療は糖尿病性膀胱機能障害に対して新しい治療法となる可能性が示唆された。

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