第277回

日本泌尿器科学会岡山地方会

プログラム・予稿集

 

 

 

 

 

 

日 時:平成20年12月20日(土)  学術集会:午後2時

                懇親会:午後6時30分

場 所:おかやま三光荘

               岡山市古京町1丁目7-36

          TEL (086) 272-2271

 

 

 

参加者の皆様へ

 

1.      受付は会場入口で行ないます。会員証に出席証明の捺印を致します。

2.      会場費として2000円徴収させていただきます。

3.      一般演題は口演時間7分,討論3分です。時間厳守でお願いします。

4.      コンピュータープレゼンテーションはPowerPoint-Win2003でお願いいたします。

5.      コンピュータープレゼンテーション演題はファイルをCD-Rディスクにファイルをコピーして,12月17日(水)までに,事務局に送付して下さい。動作の確認をします。Macの場合はWindowsにてformatされたMOにコピーしてください。もし,変更がありましたら,当日ディスクをご持参下さい。Eメールで2M以上のファイルを送付されますと,岡山大学のメールサーバーが不具合となりますので,ご遠慮下さい。

6.      PowerPoint以外のソフトで作成した図,グラフや動画を挿入している場合には,コンピューターの環境により表示されないことがありますのでご注意下さい。特に動画を挿入されている場合には,コピー元ファイルも必要です。

7.      会場での質疑応答は,座長の許可を受けた上で,必ず,所属,氏名を明らかにしてからご発言下さい。

8.      予稿集には予備がありませんので,必ずご持参下さい。

9.      懇親会場は3階和室宴会場『吉備』にて6時30分より予定しております。

会費は8000円です。

 

 

 

 

  今回は学術集会、懇親会とも三光荘ですのでよろしくお願い致します

 

  会場費、食材料費の高騰により、 今回より会場費2000円、懇親会費8000円と変更になります。何卒ご了承くださいますようお願い致します。







プログラム

 

一般演題

 

14:00〜14:50                     座長  橋本英昭(岡山中央)

 

1.      副腎悪性腫瘍に対する体腔鏡下手術の経験  【抄録】

杉本盛人、眞鍋大輔、能勢宏幸、武田克治(香川県立中央)

 

2.      画像上後腹膜脂肪肉腫を疑われた腎血管筋脂肪腫の一例 【抄録】
大石智子、高尾彰、上杉達也、雑賀隆史、公文裕巳(岡山大)

 

3.      動脈塞栓術にて救命し得た腎動脈瘤破裂の一例 【抄録】

野崎邦浩、竹中 皇、大橋輝久、近藤捷嘉(岡山赤十字)

 

4.      腎動静脈奇形(瘻)の2例 【抄録】

常 義政、原 綾英、近藤典生、藤井智浩、横山光彦、宮地禎幸、永井 敦(川崎医大)山下武則(同・放射線科)

 

5.      IFN抵抗性転移性腎癌に対してSunitinibの使用経験 【抄録】

藤田 治、中田哲也、明比直樹(津山中央)

 

 

14:50〜15:40                     座長 常 義政(川崎医大)

 

6.      片側腎に同時発生した異なる組織型を示す腎癌の一例 【抄録】

坂本英起、小林知子、橋本英昭、林 俊秀、入江 伸(岡山中央)

谷合一陽、森岡 茂(岡山中央奉還町病院)

 

7.      腎盂の壁肥厚および腎門部に腫瘤を形成したIgG4関連疾患の1例 【抄録】

瀬野祐子、新 良治、津島知靖(岡山医療センター)

向井 敬(同・放射線科)

山鳥一郎(同・臨床検査科)

 

8.      鳥取市立病院における腎結石に対するf-TUL治療成績 【抄録】

西山康弘、市川孝治、山根 享、早田俊司(鳥取市立)

 

9.      高度肥満・腎後性腎不全に肺梗塞を合併し救命しえた両側尿管嵌頓結石の一例 【抄録】

堀 元英、石戸則孝、岸本 涼、真弓友介、山本康雄、高本 均(倉敷成人病)

 

10.  ステント留置中の尿管皮膚瘻に発生した尿管動脈瘻の1例 【抄録】

藤田竜二、荒木大司、安東栄一、日下信行(岩国医療センター)

郷原真輔(姫路聖マリア) 

 

 

15:40〜16:20                     座長 佐々木克己(岡山大学)

 

11.  左尿管外傷の一例 【抄録】

堀川雄平、畠 和宏、岸 幹雄(福山市民)

 

12.  尿路悪性腫瘍術後縦隔リンパ節腫脹を認め胸腔鏡下リンパ節生検が診断と治療に有用であった2例 【抄録】

平田武志、小泉文人、山田大介、陶山文三(三豊総合)

 

13.  腎摘除術後の残存尿管に発生した尿管上皮癌の一例 【抄録】

倉橋寛明、別宮謙介、倉繁拓志、小野憲昭(高知医療センター)

 

14.  クローン病に回腸膀胱廔を合併した2例 【抄録】

藤井智浩、原 綾英、近藤典生、常 義政、横山光彦、宮地禎之、永井 敦

(川崎医大)

 

 

休 憩

 

 

16:50〜17:30                     座長 津川昌也(岡山市立市民病院)

 

15.  多剤耐性緑膿菌尿路感染を伴った膀胱癌の1例 【抄録】

時永賢治、坪井啓、白崎義範(三原赤十字)

 

16.  膀胱全摘および代用膀胱造設術後に吻合部潰瘍を生じた1例 【抄録】

江原 伸、松本裕子、村尾 航、三枝道尚、荒巻謙二(広島市民)

別宮謙介(高知医療センター)

 

17.  呉共済病院における最近の癌治療を含む薬剤の適正投与に関する取り組み 【抄録】

光畑直喜、伊藤誠一(呉共済病院 泌尿器科・腎移植科、呉共済病院化療委員会)

 

18.  進行性尿路上皮癌に対するGemcitabine(GEM)、Cisplatin(CDDP)、Paclitaxel(PAC)−GCP療法−の検討 【抄録】

枝村康平、雑賀隆史、和田耕一郎、谷本竜太、高尾彰、小林泰之、小武家誠、上杉

達也、賀来春紀、那須保友、公文裕巳(岡山大)

 

 

17:50〜18:05

 

日本泌尿器科学会西日本保険委員会報告

 

津島知靖(NHO岡山医療センター)

赤枝輝明(津山東クリニック)

難波克一(岡山県国保連合会)

朝日俊彦(あさひクリニック)

 

 

18:30〜

懇親会            おかやま三光荘3F和室宴会場『吉備』

 

 

 


 

 

一般演題

1. 副腎悪性腫瘍に対する体腔鏡下手術の経験

杉本盛人、眞鍋大輔、能勢宏幸、武田克治(香川県立中央病院)

 

【目的】副腎の悪性腫瘍に対しては外科的摘出が第1選択とされている。その手術法は開放手術が一般的で、鏡視下手術の適応については議論が分かれている。当科における副腎悪性腫瘍に対する鏡視下手術の経験を報告する。

【対象】2007年1月から2008年10月の間、副腎悪性腫瘍に対して鏡視下手術を行った2例。症例1は78歳男性、患側左。症例2は78歳女性、患側右。2例とも転移性腫瘍で、原発巣は肺腺癌であった。

【成績】腫瘍サイズは2.7cmと1.6cm。2例とも経腹膜アプローチを選択した。手術時間は144分と107分、出血量はいずれも少量であった。腫瘍周囲の癒着は特に認めず、剥離は容易であった。術中合併症は特に無く、開放手術への移行は無かった。術後観察期間は2か月と14か月で、いずれも局所再発は見られていない。

【考察】今回経験した副腎悪性腫瘍は鏡視下手術により摘出可能であった。経験症例数は少ないが、経腹膜アプローチで通常の良性副腎腫瘍と同様の術式で摘除可能と思われた。

 

 

 

 

 

2. 画像上後腹膜脂肪肉腫を疑われた腎血管筋脂肪腫の一例

大石智子、高尾 彰、上杉達也、雑賀隆史、公文裕巳(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学)

今回我々は、後腹膜脂肪肉腫が疑われた腎血管筋脂肪腫の一例を経験したので、若干の文献的考察を含め報告する。症例は66歳女性、主訴は右側腹部痛。既往歴として、高血圧、高コレステロール血症、右尿管結石あり。平成20年8月、右側腹部痛のため近医を受診し、単純CTで右尿管結石、右水腎症および後腹膜腫瘍を認めた。結石は経過観察中自排し、右水腎症は改善した。後腹膜腫瘍は造影CT、MRI検査の所見から右腎近傍の後腹膜脂肪肉腫を疑われ、精査加療目的に当科紹介となった。CT、MRIで大部分が脂肪成分からなる腫瘍性病変を認め、一部に造影早期から濃染される充実成分を認めたが、明らかな転移は認めなかった。後腹膜脂肪肉腫との診断下に、平成20年9月に腹腔鏡下後腹膜腫瘍摘除術を施行した。術中所見では境界明瞭な脂肪様の腫瘤を認め、腎に一部癒着していたため、後腹膜腫瘍切除とあわせて腎部分切除を行った。術中迅速病理組織検査では脂肪主体であり確定診断が得られなかった。術後最終病理診断で血管筋脂肪腫と診断され、現在引き続き外来で経過観察中である。

 

 

 

 

 

3. 動脈塞栓術にて救命し得た腎動脈瘤破裂の一例

野崎邦浩、竹中 皇、大橋輝久、近藤捷嘉(総合病院岡山赤十字病院 泌尿器科)

 

症例は82才女性。H14年頃から右腎動脈瘤を指摘されていたが、認知症もあり手術は家族が拒否し、無治療であった。H19年11月22日、右背部痛とともに転倒。意識消失、けいれん発作を認め、当院救急外来を受診。血圧は82/46mmHg、採血では貧血の進行を認めた。腹部CT検査では右腎周囲に多量の液体貯留あり、同部に約5cmの嚢胞部分が認められた。右腎動脈瘤破裂が考えられ、それに伴うショック状態と診断し、緊急で動脈塞栓術(TAE)を行った。TAE中は緊急輸血によりかろうじて血圧を保つことが可能であった。術後はコンパートメント症候群が疑われ一時期無尿であったが、血圧透析を行うことなく保存的に経過を見ることが可能であった。輸血は経過中MAP22U、FFP22U、Plt20Uを要した。H20年1月3日、胆石による胆嚢炎を認め外科に転科、胆嚢摘除術後、1月28日退院となった。術後10ヶ月の時点でのフォローアップCTでは右腎の萎縮は認めるものの、状態は安定しており現在も経過観察中である。腎動脈瘤破裂は致死率が高く、緊急処置を要する病態である。本症例に関して若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

 

4. 腎動静脈奇形(瘻)の2例

常 義政、原 綾英、近藤典生、藤井智浩、横山光彦、宮地禎幸、永井 敦(川崎医科大学 泌尿器科)山下武則(同 放射線科)

 

最近経験したIVRで治療した腎動静脈奇形(瘻)の2例について若干の考察を加えて報告する。

症例1は31歳、女性。他院で慢性腎不全にて透析中、CTで右腎動静脈瘻を指摘され手術目的(右腎摘)で当科紹介。血管外科、放射線科との協議の結果、IVRでの治療が最善と判断した。既往としてIgA腎症、2度の腎生検歴があった。後天性腎動静脈瘻(AVF)と診断し、コイル塞栓術を施行した。この症例は動脈瘤を合併していたため、動脈瘤の遠位側から瘤内、近位側にかけてコイルを留置した。

症例2は40歳、女性。健康診断の腹部超音波で右腎動脈瘤を疑われ、精査加療目的にて、当科および放射線科に紹介となった。既往歴、 家族歴に特記すべきことなし。先天性腎動静脈奇形(AVM)と診断し、コイル塞栓術にエタノール注入を併用した。

両者共にコイル塞栓術の際には、下大静脈へのコイル逸脱防止のために、バルーンカテーテルを腎動脈に置き、動脈血流を遮断した。症例2はエタノールを併用したために、エタノールの流出を防ぐ目的で腎静脈にもバルーンを留置した。

 

 

 

 

 

5. IFN抵抗性転移性腎癌に対してSunitinibの使用経験

藤田 治、中田哲也、明比直樹(津山中央)

 

症例は63歳、男性。無症候性肉眼的血尿にて平成19年7月10日当科外来受診。CT検査で左腎下極に10×7cm大の造影効果を伴う腫瘍及び多発性肺転移を認め左腎癌cT3acN0M1 stageIVと診断。平成19年7月30日経腹的左腎摘除術を施行した。病理組織診断はclear cell carcinoma、G2>>G3、 INF β、v-、pT3apN0M1 stageIVであった。術後補助療法として平成19年8月13日からIFN-α・シメチジン投与開始。IFN投与4ヶ月後CTでは肺転移SDも10ヶ月後CTで肺転移PDにてIFN抵抗性と判断し、平成20年7月22日よりSunitinib 50mg/日投与開始した。4週連日投与後2週休薬を1クールとし現在3クール終了している。副作用としては、1クール21日目にGrade3の血小板減少症を認め7日間休薬をし、2・3クール終了時Grade2の甲状腺機能低下症ならび2クール終了後Grade2の手足症候群を認めたが何れも休薬にて改善した。RECISTによる3クール終了後評価では、肺転移巣20%の減少を認めている。

今回IFN抵抗性転移性腎癌に対してSunitinibの使用を経験したため経過および副作用含め報告する。

 

 

 

 

 

6. 片側腎に同時発生した異なる組織型を示す腎癌の一例

坂本英起、小林知子、橋本英昭、林 俊秀、入江 伸(岡山中央病院)

谷合一陽、森岡 茂(岡山中央奉還町病院)

 

症例は50歳、男性.1989年から紫斑病性腎炎で透析導入となる.2003年右腎の嚢胞内腫瘤を指摘、以後年2回程度の経過観察となった.2005年両側の嚢胞の腫大あり.経過をみていたが、2008年3月MRIで左腎の嚢胞内腫瘤の造影効果があることが判明し、4月23日根治的左腎摘除術を施行した.摘出標本上には上極に充実性黄白調腫瘍と下極に嚢胞性腫瘍あり、それぞれpapillary renal cell carcinomaとclear cell carcinomaであった.同一腎に異なる組織型を呈した多発性腎細胞癌の報告は稀であり、若干の文献的検討を加え報告する。

 

 

 

 

 

7. 腎盂の壁肥厚および腎門部に腫瘤を形成したIgG4関連疾患の1例

瀬野祐子1)、新 良治1)、津島知靖1)、向井 敬2)、山鳥一郎3)

(独立行政法人国立病院機構岡山医療センター泌尿器科1)、放射線科2) 、臨床検査科3))

 

症例は65歳、男性。糖尿病にて通院中のかかりつけ医で肝機能異常を認めたためCTを施行したところ、左腎盂の壁肥厚および腎門部の腫瘤を指摘された。排泄性尿路造影では腎盂の圧排像を認めた。尿細胞診は陰性であった。精査目的に平成20年9月当科紹介受診。造影CTにて腎門部に腎実質よりやや造影効果の乏しい腫瘤および縦郭にも同様の腫瘤を認め、画像上は腎盂癌、悪性リンパ腫、炎症性偽腫瘍のいずれかが疑われた。血液中のIgG4は1980mg/dl(基準値4.8〜105mg/dl)と高値であった。腎門部腫瘤に対しCTガイド下生検を施行したところ、組織は免疫染色にてIgG4陽性を示しIgG4関連疾患と診断された。今後はステロイドによる治療を行う予定である。

【考察】最近では炎症性偽腫瘍とIgG4関連病変との関連性が話題となっているが、尿路に発生することは比較的稀であり、悪性腫瘍との鑑別が困難な場合が多い。若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

 

 

8. 鳥取市立病院における腎結石に対するf-TUL治療成績

西山康弘、市川孝治、山根  享、早田俊司(鳥取市立病院)

 

【目的】2007年7月よりVersa Pulse Select TM(Boston Scientific)を導入し、尿路結石に対し経尿道的Ho:YAGレーザー砕石術を施行している。腎結石に対する手術成績につき検討した。

【対象】2007年7月より2008年8月までの間に施行した腎結石71単位(64症例:平均年齢61.7歳)を対象とした。結石の存在部位(平均サイズ)はR2:61単位(10.7mm)、R3:10単位(17.4mm)であった。

【方法】手術では軟性尿管鏡(オリンパスP5)、アクセスシース、ゼロチップなどを使用した。術後3ヶ月までに3mm以下の破砕片となった場合をstone freeとした。

【結果】Stone free rateはR2結石が72.1%、R3結石が90.0%であった。R2結石で残石を認めた17単位のうち、最大径が10mm以上が11単位(64.7%)、腎盂内に2個以上結石が存在する複数結石が14単位(82.4%)、下腎杯に結石が存在する例が15単位(88.2%)と高頻度であった。合併症は腎出血1例、急性腎盂腎炎による発熱4例、敗血症1例を認めた。

【結語】腎結石に対しf-TULは有効かつ安全である。

 

 

 

 

 

9. 高度肥満・腎後性腎不全に肺梗塞を合併し救命しえた両側尿管嵌頓結石の一例

堀 元英、石戸則孝、岸本 涼、真弓友介、山本康雄、高本 均(倉敷成人病センター 泌尿器科)

 

症例は47歳女性。結石の加療を目的に、他医より紹介され8月11日当科初診。腹部CTにて、両側水腎症、両側尿管結石、左萎縮腎を認めた。即日入院時、収縮期血圧は250mmHgを超え、 BMI:39.7、 BUN 82.1mg/dl、 Cr:20.56 mg/dl、 Ca:8.8 mg/dl、 K 4.7mg/dl、 P 6.3 mg/dlと、高度肥満、腎不全を認めたため、8月11日と12日緊急透析を行い、8月12日に右腎瘻を造設した。腎機能は改善傾向を認めていたが、8月18日肺梗塞を併発し、心肺蘇生を行い、IVC filter留置後、血栓溶解療法を開始した。9月8日CT上、血栓の完全溶解を認めたため、9月17日右TULを行った。術後、多剤耐性緑膿菌による左腎盂腎炎を併発したため、PIPCおよびAMKによる抗菌化学療法を開始し、9月25日左腎瘻を造設後、10月3日左TULを行い、stone freeを認めた。右水腎症は消失し、Cr1.34 mg/dlと腎機能が改善したため、10月16日に退院となった。入院経過中、高P血症の改善とともに、高Ca血症が顕在化し、HS-PTH>3200 pg/mlと高値を認め、MIBIシンチで左上副甲状腺腫瘍を認めたため、高血圧症の加療後、副甲状腺摘除を予定している。

 

 

 

 

 

10.ステント留置中の尿管皮膚瘻に発生した尿管動脈瘻の1例

藤田竜二、荒木大司、安東栄一、日下信行(国立病院機構 岩国医療センター)

郷原真輔(姫路聖マリア病院) 

 

症例は76歳男性。2004年12月膀胱癌に対して膀胱全摘、両側尿管皮膚瘻造設術を行った。術後尿管皮膚瘻狭窄をきたしたため、両側尿管ステントを留置し定期的に交換を行っていた。2007年9月よりパウチ内に血尿が認められるようになり緩解と増悪を繰り返した。2007年11月7日、左尿管ステント交換中に突然、左側腹部の激痛と皮膚瘻より動脈性出血を認めた。皮膚瘻を圧迫しつつ緊急CT・血管造影を行った。その結果、左総腸骨動脈に仮性動脈瘤を認め、その部位で左尿管との交通を確認し左尿管総腸骨動脈瘻と診断した。皮膚瘻の圧迫止血により出血コントロールは可能であった。その後、根治療法としてバイパス術を提案するも本人が拒否。左尿管ステントは留置せずに外来フォローを行っている。

 

 

 

 

 

11.左尿管外傷の一例

堀川雄平、畠 和宏、岸 幹雄(福山市民病院)

 

症例は31歳男性。2008年3月18日勤務先の工場内にて天井クレーンと壁の間に体幹部を挟まれ受傷、同日当院へ救急搬送。到着時、SBP50mmHg、HR75/min、Sa90%(O2:15L)。CTにて左横隔膜ヘルニア、肝損傷、脾損傷、腸管損傷を認め、また腎損傷は認めなかったが、排泄相にて左尿管より尿溢流を認めた。同日、横隔膜修復術、肝縫合術、脾縫合術、回腸部分切除術、S状結腸部分切除術、人工肛門造設術施行。尿溢流については経過観察とした。術後バイタルは軽快したが、後腹膜腔への尿溢流継続するため、3月21日経皮的後腹膜腔ドレーン留置術、左尿管ステント留置術施行。4月18日左尿管ステント交換時、ガイドワイヤー挿入困難であり、左腎瘻造設術施行。4月21日後腹膜腔ドレーン抜去。5月12日順行性左尿管ステント留置を試みたが、腎盂の狭窄強く留置不可であった。このため、治療選択肢として@左腎瘻継続A左下腎杯尿管吻合術B回腸尿管置換術(Young-Monti法)C左自家腎移植+左腎盂尿管形成術D左腎摘除術を提示したが、結局@を選択され、10月17日退院、現在外来で経過観察中である。

腎外傷を伴わない尿管外傷は稀であり、今回我々は若干の文献的考察を加え、報告する。

 

 

 

 

 

12.尿路悪性腫瘍術後縦隔リンパ節腫脹を認め胸腔鏡下リンパ節生検が診断と治療に有用であった2例

平田武志、小泉文人、山田大介、陶山文三(三豊総合病院 泌尿器科)

 

症例1は77歳男性。近医で白血球増加と骨髄芽球を指摘、左尿管腫瘍と脾腫を認め当科紹介。平成19年1月左腎尿管全摘+脾摘出術施行。病理組織結果は、尿管腫瘍はUC、 G3、 pT3、脾臓は骨髄線維症に伴う髄外造血であった。術後後療法無しで経過観察としたが、縦隔リンパ節腫大を来し尿管癌の転移が疑われた。しかしリンパ系腫瘍も否定出来ず、平成20年2月胸腔鏡下リンパ節生検を施行、上皮性悪性腫瘍の転移病巣との診断を得た。放射線治療後、GEM+CBDCAによる化学療法2コース施行、現在GEM単独維持療法を施行中である。症例2は80歳男性。血尿にて平成15年7月当科受診。膀胱腫瘍(UC、 G2、 T1以上)との診断にて、同年8月膀胱全摘+回腸新膀胱造設術を施行。術後経過観察中左腎腫瘍を認め、平成16年3月左腎部分切除施行(RCC、G2、pT1a)。その後再発転移なく経過するも、平成20年10月のCTにて縦隔リンパ節腫大を認めた。他部位に明らかな転移病巣が無く、膀胱癌あるいは腎癌の転移としては非定型的と考え、胸腔鏡下リンパ節生検を施行。生検病理組織結果はsmall cell carcinomaとの診断であった。今後原発性肺癌として化学療法予定である。今回我々は尿路悪性腫瘍術後に縦隔リンパ節腫大を来たし、疾患の特定に胸腔鏡下リンパ節生検が有用であった2症例を経験した。若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

 

13.腎摘除術後の残存尿管に発生した尿管上皮癌の一例

倉橋寛明、別宮謙介、倉繁拓志、小野憲昭(高知医療センター 泌尿器科)

 

症例は72歳、男性。主訴は左腎摘除術後の左水尿管症。既往歴に特記事項なし。現病歴は平成15年9月4日、左腎腫瘍に対し根治的左腎摘除術施行。病理組織学的検査結果はオンコサイトーマ。以降定期的にフォローアップしていた。平成20年5月30日、外来定期受診時に左下腹部痛の訴えあり。腹部CT撮影したところ、左水尿管症の出現あり。7月9日、MRI撮影。左残存尿管癌が疑われ7月14日、左尿管鏡検査施行。肉眼的に左残存尿管内に乳頭状表在性腫瘍を認めた。8月1日、左残存尿管摘出術施行。病理組織学的検査結果は尿路上皮癌(Urothelial carcinoma、pT3、ly(+)、v(+)、INFβ)であった。術後局所再発を認め、10月1日よりGEMとCDDPによる術後全身抗癌化学療法を3コース施行(GEM 600mg、CDDP 40mg)。また化学療法と併行して10月8日より局所に放射線外照射療法を施行(合計60Gy)。11月12日の腹部CTではSDである。腎癌に対する根治的腎摘除術後の残存尿管に発生した尿路上皮癌は、われわれが調べえた限り過去に15例が報告されている。このたび、左腎摘除術後約5年を経過して左残存尿管に発生した尿路上皮癌の一例を文献的考察を加えて報告する。

 

 

 

 

 

14.クローン病に回腸膀胱廔を合併した2例

藤井智浩、原 綾英、近藤典生、常 義政、横山光彦、宮地禎之、永井 敦(川崎医科大学 泌尿器科)

 

クローン病患者における消化管膀胱廔の合併は比較的少なく、その診断や治療指針はいまだ確立されていない。今回われわれは回腸膀胱廔を合併したクローン病の2例を経験したので報告する。症例1は39歳、男性。平成3年6月よりクローン病にて当院内科にて加療中、20年3月ごろより下腹部痛と繰り返す膀胱炎が出現し当科受診。膿尿を認め、超音波検査で膀胱後壁の肥厚像を認めた。膀胱鏡所見は後壁の粘膜の発赤、浮腫を認めたが明らかな廔孔は確認できなかった。膀胱造影、消化管造影でも異常は認めなかったが、クローン病の消化管膀胱廔を強く疑い、20年9月30日手術を施行した。術中、回腸膀胱廔を認め、炎症腸管切除および廔孔部を含めた膀胱部分切除術を行った。症例2は56歳の男性。平成20年4月初旬より頻尿、残尿感が出現し、当院紹介受診した。膀胱鏡にて頂部に浮腫状の腫瘤形成を認めた。CT検査では膀胱に接する腫瘤陰影を認め、クローン病の消化管膀胱廔の合併もしくは結腸癌の膀胱浸潤を疑い、20年6月2日、手術を施行した。症例1と同様に回腸膀胱廔を認めたため、炎症腸管切除および膀胱部分切除術を行った。2例とも術後経過は良好であり、現在経過観察中である。若干の文献的考察を加えて報告する。

 

 

 

 

 

15.多剤耐性緑膿菌尿路感染を伴った膀胱癌の1例

時永賢治、坪井啓、白崎義範(三原赤十字)

 

【緒言】近年、カルバペネム薬、ニューキノロン薬、アミノ配糖体薬のいずれの抗菌薬に対しても耐性を示す多剤耐性緑膿菌(以下MDRP)が出現し問題となっている。今回当院で多剤耐性緑膿菌尿路感染を伴った膀胱癌の1例を経験したので報告する【症例】79歳男女性。既往歴に高血圧、心房細動、糖尿病、TIAがあった。上記既往に対し近医フォローアップ、平成20年6月14日、無症候性肉眼的血尿を主訴に近医より紹介入院となった。初診時血尿による貧血に対し輸血、ワーファリン服用に対しビタミンKを投与し、また持続膀胱洗浄の処置をおこなった。入院後精査にて浸潤性膀胱癌と診断し手術予定とした。ところが術前、尿細菌培養検査にてMDRPが検出された。これに対しポリミキシンB膀胱注入療法を施行しMDRP陰性の後、膀胱全摘術および左尿管皮膚瘻造設術を施行した。術後経過良好で外来経過観察中である。【考察】本症例はMDRP保菌状態であったが膀胱全摘が必要であり、ポリミキシンB膀胱注入療法が有効であった。報告例は少ないが本症例について文献を交えて考察する。

 

 

 

 

 

16.膀胱全摘および代用膀胱造設術後に吻合部潰瘍を生じた1例

江原 伸、松本裕子、村尾 航、三枝道尚、荒巻謙二(広島市民)

別宮謙介(高知医療センター)

 

症例68歳、男性。【主訴】黒色便【現病歴】H20 3/7 膀胱全摘出術および回腸利用による代用膀胱造設術を施行。4/11退院後、外来にて経過観察中、黒色便を主訴に5/2に当科受診した。当院内科にて上部消化管内視鏡を5/19に施行するも、明らかな出血性病変は認めなかった。その後も黒色便は継続し、貧血も進行したため7/3下部消化管内視鏡を施行したが明らかな出血性病変は認めなかった。そこで小腸出血を疑い、8/25出血シンチを施行したところ回腸吻合部と思われる部位に出血所見を認めたため、他院内科へ紹介。小腸カプセルを施行され、回腸吻合部の潰瘍と出血を認めたため、10/16小腸内視鏡によるクリッピングでの止血術を施行された。その後、黒色便は認めず、貧血も改善している。【考察】代用膀胱造設術後の吻合部潰瘍の報告例は自験例以外に認めず、非常に希な1例として報告する。

 

 

 

 

 

17.呉共済病院における最近の癌治療を含む薬剤の適正投与に関する取り組み

光畑直喜、伊藤誠一(呉共済病院 泌尿器科・腎移植科、呉共済病院化療委員会)

 

われわれが今まで実施してきた抗癌剤を含む薬剤治療が、個々の患者さんの薬理動態だけでなく薬理遺伝学を適応して、真の意味でのテーラーメイド的な治療形態が確立される日もまじかに迫ってきた。内臓機能、全身状態、化療放射線既往歴を勘案することは別として、体表面積あたりいくらという化療用量の設定が非科学的、非標準的治療となることも予想される。

実際、ジェムザールやイリノテカンのごとく、個性差が顕著に現れる薬剤もあり、耐用用量あるいは最低効果用量も約10倍に達することは、よく臨床現場で経験することである。各種の抗癌剤の適正使用に関する遺伝子多型の解明が、近年めまぐるしい発展・解明が進んでおり、臨床現場への応用が待望視されている。今回我々は東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター 中村 裕輔教授を中心とする個人遺伝子情報に応じた抗癌剤による副作用と有意な相関を示す遺伝子多型の解明・解析を実施中である。また固形癌の癌ワクチン治療の一分野である膀胱癌に対するワクチン治療や、イタリア(腎)、オーストラリア・クィーンズランド大学(腎)、フロリダ大(肝・腎)と共同で移植免疫剤の個人における遺伝子多型による適正使用の研究も近く実施予定である。

 

 

 

 

 

18.進行性尿路上皮癌に対するGemcitabine(GEM)、Cisplatin(CDDP)、Paclitaxel(PAC)−GCP療法−の検討

枝村康平、雑賀隆史、和田耕一郎、谷本竜太、高尾彰、小林泰之、小武家誠、上杉達也、賀来春紀、那須保友、公文裕巳(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 泌尿器科病態学)

 

【目的】進行性尿路上皮癌に対するMVAC療法に替わる治療としてGCP療法を行ってきた。GCP療法の治療効果、副作用について検討した。

【対象および方法】2003年5月から2008年10月までに、進行性尿路上皮癌47症例に対し、GEM 1000 mg/m2 (days 1、8)、CDDP 70 mg/m2 (day 1)、PAC 80 mg/m2 (days 1、8)を3〜4週毎に投与するGCP療法を行った。そのうち術後補助療法として用いた症例を除く28症例(男性21例、女性8例、中央値65歳)を対象とした。6例でPACを、2例でCDDPを除外したレジメンで投与した。また、13例では化学療法の既往があった。原発は膀胱14例、上部尿路14例であった。近接効果は評価可能26症例を対象とした。

【結果】RECISTでは、CR 1例(4%)、PR 19例(73%)、SD 5例(18%)であり、PDは1例のみであった。さらに、そのPR症例のうち1例はpCRであった。副作用については、Grade3以上の白血球減少を46%に、貧血を21%例に、血小板減少を35%に認めた。非増悪生存期間は9.2ヶ月、全生存期間は21.4ヶ月と良好な結果であった。

【結論】GCP療法は進行尿路上皮癌に対して安全で有効な治療であると考えられる。