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日本泌尿器科学会岡山地方会

プログラム・予稿集

 

 

 

 

 

日 時:平成211017日(土) 午後2
場 所:おかやま三光荘(2階 アトリウム)
岡山市中区古京町1丁目7-36
TEL (086) 272-2271

 


参加者の皆様へ

 

1.        受付は会場入口で行ないます。会員証に出席証明の捺印を致します。

2.        要望演題は講演時間7討論時間3でお願いします。

ミニレビューは講演時間15分、討論時間5でお願いします。

3.        コンピュータープレゼンテーションはPowerPoint-Winでお願いいたします。

4.        コンピュータープレゼンテーション演題はファイルをCD-Rディスクにファイルをコピーして、

10月14日(水)までに、事務局に送付して下さい。動作の確認をします。動画を挿入されている場合には、コピー元ファイルも必要です。もし、変更がありましたら、当日ディスクをご持参下さい。Eメールでも構いませんが、2M以上のファイルを送付されますと、岡山大学のメールサーバーが不具合となりますので、ご遠慮下さい。

5.        会場での質疑応答は、座長の許可を受けた上で、必ず、所属、氏名を明らかにしてからご発言下さい。

6.        予稿集は予備が少ないので、必ずご持参下さい。

7.        今回は地方会終了後引き続き「第4回岡山泌尿器科手術手技研究会」を行います。

8.       2009年度よりIT化導入のため、参加単位登録カウンターを設置しております。日本泌尿器科学会会員カードを忘れずにお持ち下さい。尚、従来の参加証も証明印を押印致しますので、お持ち下さい。

 

  今回は三光荘にて開催されますので、会場費1000を当日徴収いたします。何卒ご了承くださいますようお願い致します。

 

 


プログラム

 

要望演題     14:0015:20

『前立腺肥大症』

コメンテーター   設楽敏也(淵野辺総合病院)

座  長       荒木 徹(あらき腎・泌尿器科クリニック)
                
三枝道尚(広島市民病院)

 

1.川崎医科大学における前立腺肥大症に対するHoLEPの治療成績

藤井智浩、横山光彦、宮地禎幸、清水真次朗、月森翔平、海部三香子、原 綾英、

常 義政、永井 敦(川崎医大)

 

2.当院におけるHoLEP 2年間の検討

西山康弘、市川孝治、山根享、早田俊司(鳥取市立病院)

 

3.前立腺容積100 cm3以上の前立腺肥大症(BPH)に対するHoLEPの経験

高本 均、岸本 涼、真弓友介、山本康雄、石戸則孝(倉敷成人病)


4.抗血小板薬内服継続下でのホルミウムレーザー前立腺核出術の安全性と有効性の検討を目的とした比較試験

 −NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG)多施設共同研究について−

渡辺豊彦、井上 雅、上松克利、佐々木克己、石井亜矢乃、能勢宏幸、荒木元朗、

上原慎也、雑賀隆史、那須保友、公文裕巳(岡山大)横山光彦、永井 敦(川崎医大)

高本 均(倉敷成人病)市川孝治、西山康弘、早田俊司(鳥取市立)

NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG)

 

5.前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺剥離切除術の経験

津川昌也、中村あや(岡山市立市民)、宇埜 智(平島クリニック)

 

6.前立腺肥大症に対するTransurethral Enucleation with Bipolarの経験

津島知靖、新 良治、瀬野祐子 (NHO岡山医療センター)

 

7.新しい遠隔操作装置を用いた超音波ドプラ排尿動態検査の有用性について

上松克利1,4、渡辺豊彦1,4、鬼武万由子2,4、太田尚子2,4、宗宮昌子2,4、佐々木克己1,4石井亜矢乃1,4、井上雅1,4、佐古真一1,4、和田耕一郎1,4小澤秀夫3,4、矢吹孝之谷本圭司、山内博明、那須保友1,4公文裕巳1,4

(岡山大1岡山大学病院西病棟52川崎病院3 NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG4コアテック株式会社アロカ株式会社

 

8.前立腺肥大症に対するA型ボツリヌス神経毒素注入療法の臨床的検討

横山光彦、海部三香子、原 綾英、藤井智浩、常 義政、宮地禎幸、永井 敦(川崎医大)

 

 

 

ミニレビュー   15:201600

 

座長 宮地禎幸(川崎医大)

 

1.前立腺肥大症治療薬に関する最近の話題

横山光彦(川崎医大)

 

2.“診療ガイドライン”にみる前立腺肥大症の外科的治療の比較

小澤秀夫(川崎病院)

 

 

休    憩    16001610

 

 

4回岡山泌尿器科手術手技研究会    16101800

 

 

 

 

要望演題

1.川崎医科大学における前立腺肥大症に対するHoLEPの治療成績

藤井智浩、横山光彦、宮地禎幸、清水真次朗、月森翔平、海部三香子、原 綾英、

常 義政、永井 敦(川崎医大)

 

【目的】前立腺肥大症に対する手術療法としてHoLEPを施行する施設が増加している。当院においても20079月よりHoLEPによる治療を開始した。今回、その治療成績を検討し報告する。【対象】20096月までにHoLEPを施行した126例、年齢50-91歳(平均72.3歳)、前立腺容量18-137ml(中央値 50ml)を対象とした。【結果】核出重量は3–114g(中央値24g)、核出時間 10-150分(中央値70分)、モルセレーション時間5-40分(中央値10分)、カテーテル留置期間1-7日(中央値1日)、PSA値は中央値で、術前5.17 ng/mlから術後3ヶ月目で0.88 ng/mlに下降した。国際前立腺症状スコア(IPSS)、QOL index、最大尿流率は術後1ヶ月目に有意に改善し、過活動膀胱スコアも術後3ヶ月目には有意に改善した。国際勃起機能スコアは術後3ヶ月目に術前のレベルまで回復した。合併症として、術中、被膜穿孔を6例(4.7%)、モルセレーション時の膀胱粘膜損傷4例(3.1%)、術後の尿道狭窄を5例(3.9%)に認め、術後6ヶ月以上経過観察可能であった症例(n=99)のうち2例(2%)に腹圧性尿失禁を認めた。【結語】HoLEPは良好な治療成績が得られ、有用な治療法であると思われた。

 

 

 

 

2.当院におけるHoLEP 2年間の検討

西山康弘、市川孝治、山根 享、早田俊司(鳥取市立病院)

 

【目的】我々は20077月より前立腺肥大症に対しHoLEPを施行している。今回その手術成績につき検討した。【対象と方法】20077月より20099月まで施行したHoLEP症例209例のうち3ヶ月以上経過した184例を対象とし、核出重量、手術時間、細切時間、出血量、術前後IPSSおよびQOL index、術前後Qmax、術前後残尿量、合併症などを検討した。【結果】平均年齢7249-94)歳、核出重量261-124g、手術時間8223-331)分、細切時間10.60.3-120)分、出血量850-794mlであった。IPSSについては術前、術後3ヶ月目(n184)および術後1年目(n99)、術後2年目(n15)でそれぞれ18.79.18.07.0であり、QOL indexは同様にそれぞれ4.62.21.81.9と変遷していた。Qmaxについては、それぞれ11.419.320.519.8ml/sであり、残尿量はそれぞれ214232324mlであった。重篤な合併症や輸血を要した症例は認めなかった。細切中の膀胱損傷2例、後出血2例、前立腺炎8例、精巣上体炎3例を経験した。術後尿道狭窄を5例に認めた。【結語】HoLEPは低侵襲治療で、その効果は術後2年目でも継続しており、患者満足度も高いことから、前立腺肥大症に有用な治療法である。

 

 

 

 

3.前立腺容積100 cm3以上の前立腺肥大症(BPH)に対するHoLEPの経験

高本 均、岸本 涼、真弓友介、山本康雄、石戸則孝(倉敷成人病)

 

【目的】TRUS上前立腺容積100 cm3以上のBPHに対するHoLEPの臨床成績を検討した。【対象】20062月〜20089月までに核出を同一術者が施行したHoLEP106例のうちTRUS上前立腺容積100 cm3以上の8例:年齢6580歳(平均73歳)、前立腺容積100155 cm3(平均127 cm3)、観察期間27367日(平均271日)。術前8例中5例が尿閉で、そのうち4例が自己導尿中であった。【結果】摘出重量70140g(平均98g)、手術時間98221分(平均169分)、出血量116977ml(平均463ml)、潅流液4396L(平均69L)、術翌日のHb減少量3.4-0.2g/dl(平均1.8g/dl)、血清Na減少量3-1mEq/l(平均1mEq/l)、手術時間のうち核出時間62148分(平均96分)、モルセレーション時間2361分(平均48分)、その他の時間049分(平均25分)であった。輸血例はなく、術後全例自排尿可能となった。術後尿失禁は1例で11ヶ月間持続している。【考案】前立腺容積100 cm3以上のBPHに対するHoLEPの経験はまだ8例に過ぎないが、手術時間、出血量とも減少傾向にあり、術後経過も尿失禁持続1例を除いて良好である。HoLEPは尿失禁防止には尖部の粘膜切開、剥離を先に処理する。完全な核出には外科被膜に沿って剥離し、出血量の減少には剥離面で血管を凝固してから切断するのがポイントと思われた。

 

 

 

 

4.抗血小板薬内服継続下でのホルミウムレーザー前立腺核出術の安全性と有効性の検討を目的とした比較試験 

NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG)多施設共同研究について−

渡辺豊彦、井上 雅、上松克利、佐々木克己、石井亜矢乃、能勢宏幸、荒木元朗、上原慎也、雑賀隆史、那須保友、公文裕巳(岡山大)横山光彦、永井 敦(川崎医大)

高本 均(倉敷成人病)市川孝治、西山康弘、早田俊司(鳥取市立)

NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG)

 

ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)は、TUR-Pに比し、出血量が少なく、前立腺容積に影響を受けないといった利点を有しており、その良好な治療成績が報告されている。

人口の高齢化、メタボリックシンドロームにともなう心脈管系、脳血管系障害、深部静脈血栓症などの認識の高まりにより、これら塞栓性疾患の予防のためバイアスピリンなど抗血小板薬を服用している患者は増加の一途をたどっている。TUR-Pをはじめとする従来の手術方法では、術前・術後の一定期間の休薬は不可避である。しかしながら、休薬不能のため、手術を断念せざるを得ない多くの患者が存在する。脳梗塞またはTIA発作の既往があり、アスピリンを服用していた患者が、アスピリンを4週間位中断した場合に脳梗塞あるいはTIA発作をきたすオッズ比は3.2995CI1.079.80P0.005)とする報告(Maulaz, AB. Arch. Neurol.2005)があり、休薬により再発するリスクが高まる。

 最近、HoLEPにより、抗血小板薬を休薬せずに施行し得た報告が散見されるが、その安全性を証明した研究はいまだなされていない。そこで、NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG)では、抗血小板薬を内服している症例に対し、HoLEPの安全性、有効性を検討するため比較試験を計画した。多施設共同研究として開始する予定であり、本試験の概要を報告する。

 

 

 

 

5.前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺剥離切除術の経験

津川昌也、中村あや(岡山市立市民)、宇埜 智(平島クリニック)

 

【目的】我々は平成191月に前立腺肥大症に対する経尿道的手術を従来の方法(TURP)から経尿道的前立腺剥離切除術(TUDP;transurethral detaching prostatectomy)に変更した。本術式の特徴と手術成績について報告する。

【対象と方法】TUDPは針型電極で膜様部の中枢側で尿道粘膜を切開し、剥離子を用いて内腺を逆行性に3時方向から9時方向で剥離し、その後ループ型電極で切除した。TURPとの比較は平成154月から現在までの63例を対象とした。

【結果】TUDPを施行した41例の平均年齢は69.3歳、前立腺容積は47.2ml、剥離を含めた手術時間は87.6分、切除重量は27.7g、推定出血量は246.3 mlであった。Qmaxは術前の6.3 ml/sから術後16.3 ml/sに有意に改善し、術後1ヵ月目の全般治療効果判定ではやや有効以上が90.3%であった。合併症として後出血5例、尿道狭窄5例、有熱性尿路感染症1例を認めた。TURP群と比較すると、TUDP群で前立腺容積、切除重量、手術時間が有意に大きな値を示したが、その他の因子では有意な差異を認めなかった。

【考察】以上から本法は従来法と同等のリスクで大きな容積の前立腺に対して経尿道的手術が可能であると考える。しかし、我々の方法にはモーセレーターTMを加えるなどの改善が必要と考えている。

 

 

 

 

6.前立腺肥大症に対するTransurethral Enucleation with Bipolarの経験

津島知靖、新 良治、瀬野祐子 (NHO岡山医療センター)

 

 前立腺肥大症(BPH)に対する標準的な手術はTUR-Pであるが、TUR症候群などの合併症や、大きなBPHでは出血量も増加する。この様な合併症を減少させる目的で、種々の改良が行なわれてきたが、最近は、レーザーやTUR in salineTURis)システムを用いた経尿道的核出術が行なわれるようになってきた。NHO岡山医療センターでは、20087月よりTURisシステムを用いたTransurethral enucleation with bipolarTUEB)を行なっているので、初期の経験について報告する。

【対象】20087月から20098月までにTUEBが行なわれた24例を対象とした。年齢は57歳から87歳(中央値71歳)であった。【方法】オリンパス社TURisシステムを用いてTUEBを行なった。モーセレーターシステムがないため、膀胱頚部まで剥離した後に、TURを行い、組織を摘出した。【結果】手術時間は、55分から261分(中央値75分)であり、切除重量は10gから86g(中央値16g)であった。

 ビデオを供覧するとともに、導入早期に経験した問題点について報告する。

 

 

 

 

 

 

7.新しい遠隔操作装置を用いた超音波ドプラ排尿動態検査の有用性について

上松克利1,4、渡辺豊彦1,4、鬼武万由子2,4、太田尚子2,4、宗宮昌子2,4、佐々木克己1,4石井亜矢乃1,4、井上雅1,4、佐古真一1,4、和田耕一郎1,4小澤秀夫3,4、矢吹孝之谷本圭司、山内博明、那須保友1,4公文裕巳1,4

(岡山大1岡山大学病院西病棟52川崎病院3 NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG4コアテック株式会社アロカ株式会社

 

【目的】超音波ドプラ排尿動態検査の簡便化、実用化を目的に新遠隔操作装置を開発した。新装置ではタッチパネルでエコープローブの操作を行い、設定した一定の圧条件で会陰部にプローブを密着させることでより鮮明な解析画像を得られるようになった。その有用性について検討した。【対象と方法】平成201月から平成214月まで、新遠隔操作装置を用いて超音波ドプラ排尿動態検査を行った57名を対象とした。下部尿路閉塞(BOO)の有無で BOO(+)群(n=26)、BOO(-)群(n=31)2群に分け、排尿画像に関心領域を2カ所(括約筋前後1cm2)設定し、最大尿流率の流速ピーク(V1, V2)、括約筋前後の流速比(V1/V2)ならびに機能的断面積(A1A2)を求め、比較検討した。【結果】57例中、51例が排尿可能、45例で解析が可能であった。平均年齢は70.2±6.9歳。前立腺体積はBOO(+)群では56.1±22.7ml, BOO(-)群では28.8±20.5mlIPSSBOO(+)21.1±7.1BOO(-)9.5±6.0。検査時間は9.8±5.2秒で、従来法(62±8.3秒)に比し短縮した。V1/V2BOO(+)群では1.89±1.3BOO(-)群で0.41±0.3BOO(+)群で有意に高値であった。またBOO群では従来法と同様に機能的断面積の低下を認めた。【結語】従来法では、検査者の熟練を必要としたため、測定に時間を要していた。新遠隔操作装置は、検者の熟練度や被検者の影響を受けず短時間で検査可能となり、今後の実用化に大きく前進したと思われる。

 

 

 

 

8.前立腺肥大症に対するA型ボツリヌス神経毒素注入療法の臨床的検討

横山光彦、海部三香子、原 綾英、藤井智浩、常 義政、宮地禎幸、永井 敦

(川崎医大)

 

【目的】前立腺肥大症に対する新しい低侵襲治療としてA型ボツリヌス毒素前立腺注入療法を施行し、1年以上経過した症例の治療成績を検討した。【対象と方法】川崎医科大学倫理委員会の承認の後、200610月から20079月までに10例の薬剤抵抗性の前立腺肥大症患者に治療を施行した。年齢は60歳から79歳、前立腺容積は平均47.8ml。仙骨麻酔下に、経会陰または経直腸にて超音波ガイド下で注入を行った。前立腺容積が30ml以下では100単位、30ml以上では200単位を注入した。治療前、治療1週間後、136912ヶ月後にIPSSUFMを施行し、治療前と3ヶ月後にPSAを測定した。【結果】治療前、治療1週間、6カ月、12カ月後のIPSSはそれぞれ23.8±2.2, 19.4±2.9 (p=0.040) , 13.8±2.5 (p=0.0076), 16.9±2.6 (p=0.018) 1週間後には有意に改善しその効果は12カ月まで持続した。UFMの最大尿流率は治療3ヶ月後以外では有意差を認めなかった。PSA4.30±1.0から3.44±0.7 ng/ml (p=0.50) と有意差を認めなかった。 10例中7例で自覚的な改善を認め、7例中5例は12カ月後には症状の悪化を訴えた。経直腸注入を行った1例に軽度の前立腺炎を認めた他は有害事象を認めなかった。【結論】A型ボツリヌス毒素前立腺注入療法は自覚的な改善を認めたものの、他覚的な改善は乏しかった。またIPSSの改善は12カ月後も持続したが、12か月後には症状悪化を訴えた患者が多く、効果持続期間は12か月程度と考えられた。