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日本泌尿器科学会岡山地方会

プログラム・予稿集

 

 

 

 

 

日 時: 平成22年9月18日(土) 午後2時
     場 所: 岡山大学医学部図書館3階情報実習室
         入り口が今回より1階正面になりました
岡山市鹿田町2−5−1
      TEL (086)223-7151(内線7049)

 

 

 

 

 

 

参加者の皆様へ

 

1.      受付は会場入口で行ないます。会員証に出席証明の捺印を致します。

2.      要望演題は講演時間7討論時間3でお願いします。

3.      コンピュータープレゼンテーションはPowerPoint-Win2003でお願いいたします。

4.      コンピュータープレゼンテーション演題はファイルをCD-Rディスクにコピーして,

916日(木)までに,事務局に送付して下さい。動作の確認をします。もし,変更

がありましたら,当日ディスクをご持参下さい。Eメールで2M以上のファイルを送付

されますと,岡山大学のメールサーバーが不具合となりますので,ご遠慮下さい。

5.      PowerPoint以外のソフトで作成した図,グラフや動画を挿入している場合には,コンピューターの環境により表示されないことがありますのでご注意下さい。特に動画を挿入されている場合には,コピー元ファイルも必要です。

6.      会場での質疑応答は,座長の許可を受けた上で,必ず,所属,氏名を明らかにしてからご発言下さい。

7.      予稿集には予備がありませんので,必ずご持参下さい。

8.      今回は地方会終了後引き続き「第5回岡山泌尿器科手術手技研究会」を行います。

 

    2009年度よりIT化導入のため、参加単位登録カウンターを設置しております。日本泌尿器科学会会員カードをご持参下さい。尚、従来の参加証も証明印を押印致しますので、ご持参下さい。

日医生涯教育制度
単位:1.5単位
カリキュラムコード : 2[継続的な学習と臨床能力の保持],
15[臨床問題解決のプロセス],84[その他]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


プログラム

要望演題   14:0015:20

腎癌の治療戦略

コメンテーター  東京女子医科大学東医療センター

                     中澤速和先生

座長           宮地禎幸(川崎医大)

 

1.        腎細胞癌術後、対側腎に発生した腎細胞癌にラジオ波焼灼術を実施した一例

上杉達也、津川昌也(岡山市立市民)、狩山和也(同・内科)

 

2.      川崎医科大学における腎癌症例の臨床的検討

宮地禎幸、清水真次朗、月森翔平、福元和彦、海部三香子、原 綾英、藤井智浩、常 義政、横山光彦、永井 敦(川崎医大)

 

3.      腎腫瘍に対する腎部分切除術の経験

杉本盛人、那須良次(岡山労災)、妹尾孝司(福山第一)、櫻本耕司(岡山協立)

 

4.        当院における腎部分切除術の臨床的検討

瀬野祐子、新 良治、津島知靖(岡山医療センター)

中村あや(岡山赤十字)村上貴典(姫路聖マリア)

 

5.      倉敷成人病センターにおける 体腔鏡下腎部分切除術の検討

中田哲也、佐古智子、塩塚洋一、山本康雄、石戸則孝、高本 均(倉敷成人病)

 

6.      広島市立市民病院にて施行された腎部分切除術57症例の臨床的検討

西村慎吾、枝村康平、黒瀬恭平、江原 伸、三枝道尚(広島市立市民)

 

7.      インターフェロン-α(IFN-α)が著効した腎癌術後肺転移の一例

安東栄一、坂本英起、小武家誠、藤田竜二(岩国医療センター)

 

8.        当院におけるソラフェニブ、スニチニブの使用経験

神原太樹、雑賀隆史、岸本 涼、佐々木克己、小林泰之、那須保友、公文裕巳(岡山大)

 

ミニレビュー 15:2015:40

座長 津島知靖(岡山医療センター)

 

転移性腎細胞癌の治療

  那須保友(岡山大)

 

<休憩>

 

16001800

5回岡山泌尿器科手術手技研究会

 

要望演題

1.腎細胞癌術後、対側腎に発生した腎細胞癌にラジオ波焼灼術を実施した一例

上杉達也、津川昌也(岡山市立市民)

狩山和也(同・内科)

 

症例は80代女性。糖尿病コントロール目的で当院内科入院中、腹部エコーにて偶然両側腎腫瘍を指摘された。CTMRI検査にて右は腎細胞癌、左は脂肪成分の少ない血管筋脂肪腫の可能性が強いと診断した。まず、後腹膜鏡下右腎摘除術施行。病理組織検査結果はrenal cell carcinomagranular cell ca. G2 INFβ pT1aであった。術後2週間目に左腎腫瘍エコー下生検を施行したところ、左腎腫瘍も腎細胞癌 clear cell ca. G2と判明した。結果を説明し、今後の方針について検討したところ、患者、家族はラジオ波焼灼術(RFA)による治療を選択した。倫理委員会の承認、病院長の許可を得て、計3回、RFA施行。dynamic CTfollow upしているが、術後2年半経過した現在に至るまで再発転移を認めていない。

高齢者の腎細胞癌に対し、RFAは腎機能温存のため、治療選択肢の一つとなりうると考えられた。

 

 

 

 

 

2.川崎医科大学における腎癌症例の臨床的検討

宮地禎幸、清水真次朗、月森翔平、福元和彦、海部三香子、原 綾英、藤井智浩、常 義政、横山光彦、永井 敦(川崎医大)

 

目的】川崎医科大学において1996年から2009年までに経験した腎癌症例201例について臨床的検討を行った。【対象】性別は男性138例、女性63例、年齢は2193(中央値65)歳、患側は右100例、左97例、両側4例であった。【結果】観察期間は1-164(中央値31)月、臨床病期はI126例、II24例、III26例、IV25例であった。手術症例は189例で術式は根治的腎摘除術165例、168腎(開放89腎、鏡視下79腎)、腎部分切除術24例、25腎(開放19腎、鏡視下6腎)であった。組織型は淡明細胞癌146例、顆粒細胞癌7例、乳頭状細胞癌13例、嫌色素細胞癌9例、嚢胞随伴性癌7例、紡錘細胞癌3例、その他4例であった。進達度はpT1;128例、pT2;27例、pT3;31例、pT4;4例で、pN+9例に認めた。手術症例の病期別5年全生存率はI90.9%II85.0%III78.1%IV41.0%であった(p<0.001)。病期IIII5年非再発率はI88.6%II64.5%III55.8%であった(p<0.001)。再発においては単変量解析ではpT分類(pT1and2/pT3)、腫瘍径(4.0cm以下/4.1cm以上)、静脈浸潤の有無有意差を認めたが、多変量解析では静脈浸潤の有無(p=0.026)のみが独立した予測因子であった。

 

 

 

 

 

3.腎腫瘍に対する腎部分切除術の経験

杉本盛人、那須良次(岡山労災)、妹尾孝司(福山第一)、櫻本耕司(岡山協立)

 

20087月から20108月までに、当院で腎細胞癌またはその疑いで腎部分切除術を行った11例(男性9例、女性2例、40歳〜76歳。T1a 10例、T1b 1例)について報告する。

この期間手術を行った腎腫瘍症例27例のうち、T1a 14例中10例、T1b 6例中1例に対して腎部分切除術が選択されていた。手術は第12肋骨切除で経腰的に、原則として腎動脈本幹を阻血し、腎表面冷却下に行った。切除面の止血は、吸収糸による血管断端の縫合に加え、セルロース系貼付剤、フィブリン糊を使用した。用手的圧迫、周囲脂肪織による被覆縫合を追加したが、いわゆる腎実質のマットレス縫合は行っていない。いずれの症例も術後2日前後で歩行を開始し、後出血は認めなかった。摘出標本の腫瘍径は1755mm(中央値27mm)、病理診断は腎細胞癌9例(淡明細胞癌6例、顆粒細胞癌1例、乳頭状腎癌2例)、Oncocytoma 2例であった。Oncocytomaのうち1例は、右腎下極の55mmの腫瘍であったが、術前画像診断で典型的な淡明細胞癌の像ではなかったことから部分切除を行った。

近年、小径腎癌に対しては部分切除が推奨されている。やや大きな腫瘍に対しても、腫瘍の部位などの条件が良ければ腎温存手術が可能である。小さな腎腫瘍では術前画像診断で良悪の鑑別が困難な症例が多く、腎温存を積極的に検討すべきである。

 

 

 

 

 

4.当院における腎部分切除術の臨床的検討

瀬野祐子、新 良治、津島知靖(岡山医療センター)

中村あや(岡山赤十字)、村上貴典(姫路聖マリア))

 

【目的・対象】2004年から20108月までに当院において腎部分切除術を施行した32例について,臨床的検討を行った。

【結果】患側は右13例,左19例であった。切開創は520cm(中央値12cm)で,手術時間は120290分(中央値197分),出血量は少量〜645ml(中央値200ml)であった。無阻血8例,部分阻血2例,冷阻血19例,温阻血3例で,阻血時間は360分(中央値38分)であった。摘出標本の腫瘍径は12〜50mm(中央値28mm)で,T分類でみるとT1a25例,T1bが5例,T3a3例であった。組織型はclear cell carcinoma28例,glanular cell carcinoma2例,papillary renal cell carcinoma2例であり,全例断端陰性であった。follow up期間は81988日(中央値493日)で,全例再発および転移は認めなかった。

【考察】当院では2004年より内視鏡補助下小切開腎部分切除術を行っている。新しい器具の導入などにより切開創は徐々に縮小し,適応症例も広がりつつある。腎機能温存の点から考えても,腎部分切除術は今後さらに適応を広げていくべきであると考えられた。

 

 

 

 

 

5.倉敷成人病センターにおける体腔鏡下腎部分切除術の検討

中田哲也、佐古智子、塩塚洋一、山本康雄、石戸則孝、高本 均(倉敷成人病)

 

(目的)倉敷成人病センターにおける体腔鏡下腎部分切除術の検討。(対象と方法)当院では1995年から腎部分切除術を28例に行っている。そのうち体腔鏡下で行った腎部分切除は20031月から20108月までに19例であった。男性17例,女性2例,年齢は36歳から77歳(中央値61歳)であった。適応はT1aN0M0症例のうち腫瘍が腎門部を占拠しない症例とした。方法は後腹膜鏡下腎部分切除術(A法),後腹膜鏡補助下小切開腎部分切除術(B法)。(結果)A法が13例,B法が6例であった。A法の1例において切除面からの出血をコントロールできず後腹膜鏡下腎部分切除術から開腹へ移行した。切除断端は全例陰性で,その他合併症を認めていない。観察期間は2.3ヶ月から79.3ヶ月(中央値21.4ヶ月)で局所再発および転移を認めた症例はない。

 

 

 

 

 

6.広島市立市民病院にて施行された腎部分切除術57症例の臨床的検討

西村慎吾、枝村康平、黒瀬恭平、江原 伸、三枝道尚(広島市立市民)

 

【目的】2001年から2009年にかけて広島市立市民病院泌尿器科にて施行された腎部分切除術57症例、58腎についてretrospectiveに臨床統計学的検討を行った。

【対象と方法】症例の年齢は18-80(中央値58.5)、画像上の腫瘍径は0.7-11cm(2.5)、観察期間は2-107ヶ月(37)であった。術前T分類はcT1a48症例49(うち単腎2症例)cT1b7症例、cT22症例であった。体腔鏡手術はcT1a2症例に施行され、その他は開放手術であった。

【結果】阻血時間15-140(56.5)、手術時間116-330(199)、出血量10-1255cc(150)、合併症は気胸2症例、輸血を要する術中出血1症例であった。現在、肺・縦隔リンパ節転移が確認された1症例を除いて、局所再発・遠隔転移を認めていない。

【結語】当科での腎部分切除術において、重篤な周術期合併症はなく、ほとんどの症例で術後再発・遠隔転移を認めていない。小径腎腫瘍に対する腫瘍学的転帰は良好である。

 

 

 

 

 

7.インターフェロンIFN-α)が著効した腎癌術後肺転移の一例

安東栄一、坂本英起、小武家誠、藤田竜二(岩国医療センター)

 

症例は44歳、女性。20093月頃より左側腹部の腫瘤触知を自覚し近医受診。CTで左腎腫瘍を指摘され、2009420日当科紹介となった。左腎下極に長径15cm大の腎腫瘍を認め、Gerota筋膜外浸潤及び腸腰筋浸潤を認めた。画像精査にて遠隔転移、他臓器転移を認めず、cT4N0M0と診断し、同年515日、経腹膜的アプローチにて左腎摘除術を施行した。術中所見で腫瘍は腸腰筋及び腸間膜に直接浸潤しており、腸腰筋及び腸間膜の一部を合併切除した。 病理所見はpapillary renal cell ca. with sarcomatoid component,G3,INFβ,V(+) pT4であった。外来経過観察中、術後45日目のCTで両側肺転移が出現し、IFN-α投与(300万単位, 3/)を開始した。投与開始後1ヶ月後のCTではPR3ヶ月後ではCRが得られた。現在でもINF-αを継続中で、画像上CRを維持している。転移性腎癌に対する欧米でのガイドラインでは、分子標的薬を中心とした治療が推奨されており、これらは欧米人のデータをもとに作成されたもので、人種差による治療効果の相違も考えられる。本症例のようにIFN-αに良好に反応する症例もみられ、肺転移単独症例に対しては、これまでの治療実績のあるサイトカイン療法は従来通り、治療選択肢のひとつとして検討してもよいと考える。

 

 

 

 

 

8.当院におけるソラフェニブ、スニチニブの使用経験

神原太樹、雑賀隆史、岸本涼、佐々木克己、小林泰之、那須保友、公文裕巳(岡山大)

 

2008年より分子標的薬であるソラフェニブ及びスニチニブが保険適用となり当院でもそれぞれ、2008年4月及び8月より導入し、2010年8月までにソラフェニブを16例(スニチニブよりの移行例1例を含む)に、スニチニブを17例に(ソラフェニブよりの移行例8例を含む)投与した。ソラフェニブ投与例では、年齢は27〜79歳(中央値65歳)、転移巣(重複を含む)では肺が14例と最も多くついでリンパ節5例、骨4例などであった。病理組織型では判明している中でclear cellが主体であった。Adverse Eventとしてはhand-foot syndromeを主とした皮膚症状が10例と最も多く重篤な合併症として多形紅斑を一例認めた。スニチニブ投与例では年齢は27〜80歳(中央値60.8歳)、転移巣(重複を含む)では肺が12例と最も多くついでリンパ節7例、骨5例などであった。病理組織型では判明している中でclear cellが主体であった。Adverse Eventとしては骨髄抑制が7例、hand-foot syndromeが6例、甲状腺機能低下症が2例であった。今回、効果と有害事象につき報告する。