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日本泌尿器科学会岡山地方会

プログラム・予稿集

 

日 時: 平成23年5月21日(土) 午後2時
場 所: 川崎医科大学 校舎棟 M-702講義室
倉敷市松島577
TEL(086)462-1111(内線37109)

 

 

 

 

 


参加者の皆様へ

1)        受付は会場入口で行ないます。会員証に出席証明の捺印を致します。

2)       一般演題は口演時間7分,討論3分です。時間厳守でお願いします。

3)        コンピュータープレゼンテーションの場合にはCD-Rにファイルをコピーして, 519日(木)までに,事務局に送付して下さい。動作の確認をします。もし,変更がありましたら,当日メディア(USBメモリーまたはCD-R)をご持参下さい。Eメールで8M以上のファイルを送付されますと、岡山大学のメールサーバーが不具合となりますので、ご遠慮下さい。

4)        会場での質疑応答は,座長の許可を受けた上で,必ず,所属,氏名を明らかにしてからご発言下さい。

5)        予稿集には予備がありませんので,必ずご持参下さい。

 

    2009年度よりIT化導入のため、参加単位登録カウンターを設置しております。日本泌尿器科学会会員カードを忘れずにお持ち下さい。尚、従来の参加証も証明印を押印致しますので、お持ち下さい。

日医生涯教育制度

単位:2.5単位
カリキュラムコード:2[継続的な学習と臨床能力の保持],15[臨床問題解決のプロセス]
          
64[肉眼的血尿],65[排尿障害(尿失禁・排尿困難)],66[乏尿・尿閉]

 

 

 

 

 


会場付近案内図

 

第二・第一駐車場(有料100/時間)をご利用下さい。

 

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病院正面玄関(2階)よりお入り下さい。

正面玄関を入られましたら、直進一番奥の中央エレベーターで7階まで上がり、校舎棟連絡通路を通り「M-702講義室(7階)」へお越し下さい。

 

*隣接してラウンジをご用意しておりますのでご利用下さい。

 

 

 

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プログラム

 

一般演題

14:0014:50              座長 黒瀬恭平(広島市民)

 

1.        当院における尿路結石による閉塞性腎盂腎炎の検討

海部三香子、小出隆生、古川洋二(笠岡第一)

 

2.        開放腎部分切除術31症例の臨床的検討

西村慎吾、黒瀬恭平、枝村康平、日下信行、雑賀隆史(広島市民)

江原 伸(岡山大)

三枝道尚(香川県立中央)

 

3.        自然破裂を来たした腎血管筋脂肪腫の1

小泉文人、上松克利、山田大介(三豊総合)

堀川雄平(尾道市立市民)

 

4.        免疫抑制剤トシリズマブ投与中にPNL後の腎瘻閉鎖遅延を認めた両側腎結石の1

佐古智子、石戸則孝、郷原真輔、塩塚洋一、山本康雄、高本 均(倉敷成人病)

中田哲也(岩国医療センター)

 

5.        急速な経過をたどった献腎移植後の右固有腎癌の1例

河内啓一郎1)、瀬野祐子1)、新 良治2)、津島知靖1)、藤原拓造3)

(岡山医療センター 泌尿器科1)・移植外科3)高知医療センター 泌尿器科2)

 

14:5015:30              座長 井上 雅(岡山労災)

 

6.        BCG膀胱内注入療法により生じた感染性動脈瘤破裂の1

甲斐誠二、畠 和宏、岸 幹雄(福山市民)

 

7.        膀胱原発mucosa-associated lymphoid tissueMALT)リンパ腫の1

堀川雄平、野楓M浩、大枝忠史(尾道市立市民)

 

8.        乳癌化学療法中に膀胱転移を来した1例

藤田 治、眞鍋大輔、三枝道尚、武田克治 (香川県立中央)

 

9.        前立腺原発移行上皮癌の1

仲西昌太郎、水野 桂、松岡崇志、浅井聖史、岡添 誉、豊里友常、西澤恒二、

井上幸治、寺井章人(倉敷中央)

 

 

休憩

 

15:5016:30               座長 寺井章人(倉敷中央)

 

10.    Fournier壊疽の2

片山 聡、別宮謙介、石川 勉、平田武志、佐々木克己、江原 伸、上原慎也、

渡邉豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)瀧口徹也、山崎 修(同・皮膚科)

 

11.    抗血小板薬内服継続下でのホルミウムレーザー前立腺核出術の安全性と有効性の検討 

NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構多施設共同前向き比較試験−

渡辺豊彦、井上 雅、佐々木克己、上原慎也、公文裕巳(岡山大)

横山光彦、永井 敦(川崎医大)高本 均(倉敷成人病)

市川孝治、西山康弘、早田俊司(鳥取市立)小野憲昭(高知医療センター)

雑賀隆史(広島市民)NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG)

 

12.    抗血栓薬継続下経直腸的前立腺生検における安全性の検討

上杉達也、戸島慎二、津川昌也(岡山市立市民)

 

13.    川崎医科大学における系統的前立腺生検の検討

大平 伸、原 綾英、大畑 絢、藤田雅一郎、月森翔平、福元和彦、藤井智浩、常 義政、

横山光彦、宮地禎幸、永井 敦 (川崎医大)

 

16:3016:40 

日本泌尿器科学会保険委員会報告

 

  津島知靖(NHO岡山医療センター)

  赤枝輝明(津山東クリニック)

  武田克治(香川県立中央)

  渡辺豊彦(岡山大学)

 


一般演題

1. 当院における尿路結石による閉塞性腎盂腎炎の検討

海部三香子、小出隆生、古川洋二(笠岡第一)

 

【目的】尿路結石による閉塞性腎盂腎炎は、早期に重篤化し敗血症・DICへ移行することが多く、早期診断、迅速な治療開始が必須である。

【方法】20053月〜20114(6年間)に当科で診断・加療を行った67(再発例を含む)について、結石の位置・大きさ・数、初期治療法、起炎菌、DICSIRS(全身性炎症反応症候群)の有無、ADL、基礎疾患の有無などをretrospectiveに検討した。

【結果】性別は、男性19例、女性48例、年齢は、38歳〜101歳、中央値75歳であった。患側は右34例、左31例、両側が2例、閉塞部位はU1 36例、U2 13例、U3 18例であった。起炎菌は、Escherichia coli 18例、Enterococcus faecalis 11例、Pseudomonas aeruginosa 10例、Proteus mirabilis 8例、その他37例であった。治療として、ドレナージなし + 抗生物質34例、ドレナージあり+ 抗生物質33(ステント留置 18例、腎瘻造設 15)で、SIRS66例中50(76)で、DICと診断した症例は、31例中13(42)であった。死亡症例は、67例中3(4)であった。

【考察】尿路結石による閉塞性腎盂腎炎は初期より重篤化する傾向にあり、早期よりドレナージ術を含む治療が必要と考えられた。救急部を含めた他科医師に対し、早期発見・治療の重要性を啓蒙する必要があると考えられた。

 

 

 

 

2. 開放腎部分切除術31症例の臨床的検討

西村慎吾、黒瀬恭平、枝村康平、日下信行、雑賀隆史(広島市民)

江原 伸(岡山大)三枝道尚(香川県立中央)

 

【目的】2001年から2009年にかけて当院にて施行された開放腎部分切除術、55症例のうち、術後1年目の腎機能評価が可能であった31症例について、慢性腎不全の指標であるeGFRを用いて評価し、影響を与える因子について統計学的検討を行った。

【対象と方法】症例の年齢は35-77(中央値58.0)、男女比は229、画像上の腫瘍径は0.7-8cm(2.6)、阻血時間35-140(58.0)、基礎疾患を有するのは16症例であった。術後腎機能に影響を与える因子として、年齢、性別、腫瘍径、阻血時間、基礎疾患の有無、の5

つを用いて、ロジスティック回帰分析を行った。阻血時間とeGFR変化率についても検討した。

【結果】術後のeGFRに有意に影響を与える因子は阻血時間のみであった。阻血時間60分未満の群と60分以上の群に分けて、eGFRと阻血時間の関連を検討したところ、60分以上の群においてのみ、阻血時間とeGFR変化率に相関関係を認めた。

【結語】当科における開放腎部分切除術後の腎機能に対して有意に影響を与える因子は阻血時間であり、阻血時間が60分以上の症例は、阻血時間と腎機能低下は相関関係が認められた。腎部分切除術において冷阻血であっても60分以上で術後腎機能に影響があることが分かり、術式やアプローチなどなるべく阻血時間を短縮する工夫が必要であると考えられた。

 

 

 

3. 自然破裂を来たした腎血管筋脂肪腫の1

小泉文人、上松克利、山田大介(三豊総合)

堀川雄平(尾道市民)

 

症例は43歳女性。20101128日朝、突然の右上腹部痛を自覚し近医に救急搬送された。CTにて脂肪成分を含む右腎腫瘍およびその自然破裂に伴う後腹膜血腫を認め同院入院となった。当院での治療希望あり、1210日当院へ転院、術前画像診断にて、右腎血管筋脂肪腫(AML)自然破裂と診断したが、左腎にも小さなAML2つ認め、小児期のてんかん発作の既往もあり結節性硬化症に合併したAMLと考えられた。ただし結節性硬化症に関する諸検査では、腎AML以外には有意な所見は無く結節性硬化症との確定診断は出来なかった。AMLのサイズも大きく再出血のリスクもあり1227日経腹的右腎摘出術施行した。手術時間4時間20分、出血量700ml(血腫込み)であった。術中・術後とも輸血は不要で術後経過も良好であり、術後15日目に退院した。病理組織学的では悪性所見なく術前診断どおりで右腎AML自然破裂と診断した。現在左腎AMLについてフォローアップ中であるが増大は認めていない。結節性硬化症は1万人に1人程度と稀な疾患で、本症例のように小児期にてんかんがあったにもかかわらず見過ごされている例が多くあると思われる。実際この患者の子もてんかん・発達遅滞があるが結節性硬化症の話はされていなかった。本症例について若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

 

4. 免疫抑制剤トシリズマブ投与中にPNL後の腎瘻閉鎖遅延を認めた両側腎結石の1

佐古智子、石戸則孝、郷原真輔、塩塚洋一、山本康雄、高本 均(倉敷成人病)

中田哲也(岩国医療センター)

 

トシリズマブはIL-6のシグナル伝達を阻害し抗リウマチ効果を示す薬剤である。今回我々はトシリズマブ投与後にPNLを施行し、腎瘻閉鎖遅延を認めた症例を経験したので報告する。症例は61歳女性、関節リウマチ、糖尿病の既往あり、トシリズマブとステロイド、経口糖尿病薬等の投与を受けていた。前医で左腎結石の経過観察中に急激な増大を認め両側珊瑚状結石となったため、加療目的に20105月に当院紹介初診。トシリズマブ最終投与から2週間後に右腎結石に対しPNLTUL併用による治療を行い、腎瘻留置、尿管ステント留置して初回治療を終了した。術後敗血症性ショックを来し、エンドトキシン吸着療法を含めた集中治療を行い回復した。術後1ヶ月目に尿管ステントを抜去した後より発熱あり、超音波検査で右水腎症と右腎周囲膿瘍の形成を認めた。同時に腎実質の瘻孔の開存を認め、腎瘻閉鎖遅延があると考えられた。膿瘍のドレナージと尿管ステント再留置を行い、術後3ヶ月目にRPを施行したが腎実質の瘻孔は閉鎖していなかった。術後4ヶ月目のRPで瘻孔は閉鎖していたためステントに付着した結石をTULで除去後ステント抜去し、以後発熱、膿瘍の再発等認めなかった。トシリズマブの有害事象として創傷治癒が遅延する可能性が報告されており、投与中の患者に対する観血的処置には注意を要すると考えられる。

 

 

 

 

 

5. 急速な経過をたどった献腎移植後の右固有腎癌の1

河内啓一郎1)、瀬野祐子1)、新 良治2)、津島知靖1)、藤原拓造3)

(独立行政法人国立病院機構岡山医療センター 泌尿器科1)・移植外科3)

高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 泌尿器科2)

 

【症例】61男性。平成206月献腎移植施行。H2211月より全身倦怠感、貧血が出現し、CTMRIにて右固有腎のびまん性腫大を認めた。腎Dynamic CTにて腫瘍の造影効果は乏しいが悪性疾患を否定できず、右腎癌cT3aN0M0 StageVの診断にて同年12月に右固有腎摘除術を施行した。病理組織はsarcomatoid carcinoma,G3,INFγ,v+,pT3aであった。術後3週目のCTにて局所再発、多発肺転移、肝転移、肺門部リンパ節転移を認めた。追加治療を検討するも急速に病勢が進行し、術後36日目に死亡した。

【考察】献腎移植後の免疫抑制下で急速に進行した固有腎癌の症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。

 

 

  

 

 

6. BCG膀胱内注入療法により生じた感染性動脈瘤破裂の1

甲斐誠二、畠 和宏、岸 幹雄(福山市民)

 

BCG膀胱内注入療法後に右総腸骨動脈瘤破裂を合併した1例を経験したので報告す

る。

症例は60歳代男性。前医で200111月膀胱癌に対しTUR-Bt施行。その後再発を繰り

返し、200611BCG膀胱内注入療法(イムノブラダー40mg×4回)施行。その後も

再発を認め、20087月当科紹介受。20088BCG膀胱内注入療法(イムノブラダー

40mg×6回)施行し、再発に対して再度20094BCG膀胱内注入療法(イムノブラダ

40mg、排尿時痛、発熱の為に3回で中止)。

20102月より腰痛、腹痛、発熱あり。右総腸骨動脈瘤を指摘され、当院心臓外科受

診。感染性右総腸骨動脈瘤破裂の診断にて、3月動脈瘤切除術+人工血管置換術施

行。動静脈培養、血栓培養ともに陰性。7CTで腹部大動脈〜右総腸骨動脈周囲に液

体貯留を認めた。CTガイド下生検では、培養陰性、病理検査で壊死組織を認めた。

10CTでも液体貯留は減少しておらず、12月開腹生検を施行。病理検査では乾酪壊

死を伴う類上皮肉芽腫を認め、培養検査で抗酸菌陽性(ガフキー1号)。BCG膀胱内

注入療法による感染性動脈瘤と判断し、INHRFPEBによる抗結核療法を開始。遺

伝子解析の結果、M.bovis BCGTokyo株)と鑑別された。

20113月動脈周囲の液体貯留は残存するものの、発熱なく経過している。4月現在

膀胱癌再発は認めていない。

 

 

 

 

7. 膀胱原発mucosa-associated lymphoid tissueMALT)リンパ腫の1

堀川雄平、野楓M浩、大枝忠史(尾道市立市民)

 

症例は80歳台女性。当院整形外科にて右人工関節置換術を施行された。術前の股関節MRIで膀胱に腫瘤影を認めたため、当科紹介となった。膀胱鏡検査では膀胱後壁に2cm大の広基性腫瘍を認めた。軽度発赤は認めるものの、粘膜は保たれており、粘膜下腫瘍が疑われた。MRIでも粘膜下腫瘍の疑いであり、平滑筋腫や肉腫、GISTなどが疑われ、TUR-Btを施行、病理組織はMALTリンパ腫であった。上部消化管内視鏡とCTで異常を認めず、膀胱原発のMALTリンパ腫と診断。膀胱部分切除術または放射線治療の適応と考えたが、本人は手術を希望されず、放射線治療を40Gy施行し現在外来で経過観察中である。膀胱原発MALTリンパ腫は比較的稀な疾患であり、若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

 

  

8. 乳癌化学療法中に膀胱転移を来した1例

藤田 治、眞鍋大輔、三枝道尚、武田克治 (香川県立中央)

 

症例は57歳の女性。平成217月より右乳癌(cT4bcN0M1b)にて当院外科外来化学療法施行中、平成226CTにて左水腎症出現し平成227月当科外来紹介受診。CT上、左水腎症および膀胱壁肥厚所見あり、膀胱鏡にて三角部から後壁にかけ粘膜浮腫状変化認めた。MRIでは膀胱壁肥厚部T1WIおよびT2WIともに低信号、T1WI造影にて淡い造影効果ありDWIでは高信号呈しなかった。尿細胞診はclassTであった。

以上より乳癌膀胱転移あるいは膀胱原発間葉系腫瘍疑われ、平成227月経膣的針生検法およびTUR-Btを施行した。病理学的検査ではTUR切片よりCancer metastasis、乳腺原発の診断であった。術後より当院外科にて新規化学療法導入し現在も継続中である。

乳癌の膀胱転移は非常に稀であり、若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

  

 

9. 前立腺原発移行上皮癌の1

仲西昌太郎、水野 桂、松岡崇志、浅井聖史、岡添 誉、豊里友常、西澤恒二、

井上幸治、寺井章人(倉敷中央)

 

緒言:前立腺原発の移行上皮癌は前立腺導管の移行上皮由来の癌であり、全前立腺悪性腫瘍の2-5%を占め予後も非常に悪いと言われている。今回我々は前立腺原発移行上皮癌に対して膀胱全摘除及び回腸導管造設術を施行した1例を経験したので若干の文献的報告を加えて報告する。

症例:患者は80歳の男性で、無症候性肉眼的血尿を主訴に当科外来を紹介受診された。外来で施行した膀胱鏡で前立腺部尿道に乳頭状腫瘍を認めたため前立腺部尿道の移行上皮癌を疑い同部位からTUR生検を施行し、移行上皮癌を認めた。また、膀胱生検も合わせて施行したが膀胱内に移行上皮癌は認めなかった。前立腺部尿道原発の移行上皮癌と診断し膀胱全摘除および回腸導管造設術を施行した。術後病理では、前立腺部尿道から発生した移行上皮癌(一部扁平上皮癌の成分あり)と確定診断、膀胱内の一部にCIS病変の進展を認めた。

結語:比較的稀な前立腺原発移行上皮癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えてこれを報告する。

 

 

 

 

 

 

10.Fournier壊疽の2

片山 聡、別宮謙介、石川 勉、平田武志、佐々木克己、江原 伸、上原慎也、

渡邉豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)

瀧口徹也、山崎 修(同・皮膚科)

 

Fournier壊疽は、会陰部や陰嚢周囲に発症する壊疽性筋膜炎であり、死亡率が比較的高いため、早期の診断と適切な治療を必要とする疾患である。今回我々は、各科との連携による集学的治療で救命しえたFournier壊疽の2例を経験したので文献的考察を加え、報告する。

症例1:74歳、男性。基礎疾患として、肝硬変、糖尿病、慢性腎不全があり、透析導入中であった。陰嚢の腫脹・疼痛を主訴に近医受診、精巣上体炎疑いで入院加療するも改善なく、第3病日のCTにて陰嚢にガス像を認めFournier壊疽と診断、第4病日に精査・加療目的に当科紹介、同日緊急手術を施行した。陰嚢下部から肛門右側にかけて壊死を認め、壊死は精索に沿って進行していた。デブリドマン、両側精巣除去、人工肛門造設術施行し、2回の植皮手術を行い、術後2ヶ月目に軽快退院した。

症例260歳、男性。切り株で股間を打撲した後より、陰嚢・陰茎の腫脹・疼痛が出現、受傷後8日目に当科受診した。陰嚢は著明に腫脹、陰茎は黒色に壊死し、下腹部〜鼠径部にかけて発赤を認め、同部位までの炎症の波及が疑われた。CT上、陰嚢に著明なガス像を認め、Fournier壊疽と診断し、同日緊急手術とした。デブリドマン、両側精巣・精索・陰茎海綿体摘除、尿道海綿体部分切除術を施行した。術後、経過は良好で術後20日目に植皮術を行った。

 

 


11.抗血小板薬内服継続下でのホルミウムレーザー前立腺核出術の安全性と有効性の検討 −NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構多施設共同前向き比較試験−

渡辺豊彦、井上 雅、佐々木克己、上原慎也、公文裕巳(岡山大)

横山光彦、永井 敦(川崎医大)高本 均(倉敷成人病)

市川孝治、西山康弘、早田俊司(鳥取市立)小野憲昭(高知医療センター)

雑賀隆史(広島市民)NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構(OURG)

 

【目的】抗血小板薬を継続下でのHoLEPの安全性,有効性を検討するため前向き比較試験を行った。

【対象と方法】基礎疾患のため抗血小板薬を内服継続下HoLEPを施行した群(内服群)、また、同時期、同一基準でHoLEPを施行した抗血小板薬を内服していない対照群と比較検討した。主要評価項目は術後7日以内の止血術を要する後出血の有無,副次的評価項目は、輸血の有無、術前後Hb濃度の変化率とした。

【結果】内服群34(アスピリン19例、チクロビジン3例、クロピドグレル5例、その他8)対照群180例であった。年齢(76.7vs71.7歳,p=0.115)で内服群がやや高かったが、IPSS推定前立腺容積では両群間に差はなかった。全例全身麻酔下で施行し、電気凝固による止血は行わず、カテーテルはほとんどの症例で術後2病日に抜去した。手術時間(73.4 vs 88.7minp=0.115)、前立腺核出重量(35.6 g vs 34.1 gp=0.80)では両群間で差は認めなかった。対照群1例において止血術を要する後出血を認めたが、内服群ではみられなかった。両群で輸血症例はなく、術前後Hb減少率(12.2 % vs 10.8 %p=0.113)も差を認めなかった。

【考察と結論】HoLEPは、抗血小板薬を休薬せずに安全に、かつ効果的に施行でき、休薬による塞栓疾患の再発するリスクを高めることなく行える術式であると考えられた。

 




12.抗血栓薬継続下経直腸的前立腺生検における安全性の検討

上杉達也、戸島慎二、津川昌也(岡山市立市民病院)

 

【目的】前立腺癌の診断において、経直腸的前立腺生検は標準的な検査方法である。高齢者も多く、抗血栓剤を内服しているケースは少なくない。抗血栓薬を中止することにより凝固能がリバウンドし、心血管イベント上昇のリスクがあることが指摘されている。当施設では同意が得られた患者すべてに抗血栓薬継続のまま経直腸的前立腺針生検を実施し、安全性を検討したので報告する。【対象と方法】20017月から201010月に当院で行った抗血栓薬継続下で経直腸的前立腺生検を行った86例。年齢は54-93歳(中央値73歳)。PSA値は2.12-238.1ng/ml(7.30)19例が抗凝固剤(Warfarin)を、74例が抗血小板薬を内服していた。このうち7例が両方服用していた。経直腸ガイド下に6-10ヶ所採取した。基本的に無麻酔で行った。Clavien gradeを参考に、生検の合併症を評価した。【結果】生検の結果、35例に癌を検出した。平均のPT-INRは、抗凝固剤単独内服群で1.60、抗血小板剤単独内服群で1.07、両剤内服群で1.85であった。抗血小板剤単独内服群で1例に急性前立腺炎に伴う敗血症を認めたが、いずれの群でも出血に伴う合併症を認めなかった。【結論】抗血栓剤内服症例において、経直腸的前立腺生検は内服を中止することなく安全に施行できると考えられた。

 

 

 

 

 

13.川崎医科大学における系統的前立腺生検の検討

大平 伸、原 綾英、大畑 絢、藤田雅一郎、月森翔平、福元和彦、藤井智浩、常 義政、

横山光彦、宮地禎幸、永井 敦 (川崎医大)

 

【目的・方法】前立腺癌はmultifocal・小病巣が多く、系統的多箇所生検の有用性が報告されている。今回、20029月から20103月までに12箇所生検を施行した初回かつPSA4~20ng/ml814(経会陰的到達法(TP)327例・経直腸的到達法(TR)487)について検討した。我々は20035月まで主にTPを、2005年からTRを導入し、現在、主にTRを採用している。症例の年齢中央値71(40-92)歳、PSA中央値7.61(4.0-20.0)ng/ml、前立腺体積中央値31(7-150)mlであった。【結果】癌検出率はTP37.6%TR44.2%であり有意差を認めなかった。DRE陽性例の癌検出率はTP61.1%TR57.7%TRUS陽性例の癌検出率はTP51.9%TR65.6%と共に有意差を認めなかったが、MRI陽性例の検出率はTP91.7%TR64.4%であった(p=0.025)。有害事象は発熱TP5例・TR7例、尿閉TP2例・TR10例、敗血症TP0例・TR2例、頭痛TP10例・TR0例、血尿TP27例・TR34例であった。【考察】我々はTPからTRへ生検法を移行したが、初回生検での癌検出率、安全性の観点からも、生検法変更に関して支障がないことが判明した。