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日本泌尿器科学会岡山地方会

プログラム・予稿集

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日時: 平成24年9月15日(土) 午後2時
場所: 岡山大学医学部図書館3階情報実習室
岡山市北区鹿田町2−5−1
TEL: (086)223-7151(内線7049)

 

 

 

参加者の皆様へ

 

1.受付は会場入口で行ないます。会員証に出席証明の捺印を致します。

2.要望演題は講演時間7討論時間5でお願いします。

3.コンピュータープレゼンテーション演題はファイルをフラッシュメモリーにコピーして,

  913日(木)までに,事務局に送付して下さい。動作の確認をします。もし,変更が

ありましたら,当日フラッシュメモリーをご持参下さい。Eメールで8M以上のファイル

を送付されますと,岡山大学のメールサーバーが不具合となりますので,ご遠慮下さい。

4.PowerPoint以外のソフトで作成した図,グラフや動画を挿入している場合には,コンピ

ューターの環境により表示されないことがありますのでご注意下さい。特に動画を挿入

されている場合には,コピー元ファイルも必要です。

5.会場での質疑応答は,座長の許可を受けた上で,必ず,所属,氏名を明らかにしてから

ご発言下さい。

6.予稿集には予備がありませんので,必ずご持参下さい。

7.事前にお送りいただいた発表スライドをやむを終えず変更する場合は当日学会開始20分前までに差替えて下さい。

8.今回は地方会終了後引き続き「第7回岡山泌尿器科手術手技研究会」を行います。

 

    2009年度よりIT化導入のため、参加単位登録カウンターを設置しております。日本泌尿器科学会会員カードをご持参下さい。尚、従来の参加証も証明印を押印致しますので、ご持参下さい。

日医生涯教育制度

 単     位:1.5単位

 カリキュラムコード:2[継続的な学習と臨床能力の保持],15[臨床問題解決のプロセス],

 64[肉眼的血尿]

 

 
 

 

 

 

 



プログラム

要望演題   14:0015:40

尿路上皮癌の外科的治療

コメンテーター  国立がん研究センター中央病院 

泌尿器・後腹膜腫瘍科

          藤元博行先生

座長  那須良次(岡山労災)

    山田大介(三豊総合)

 

1.      Narrow Band Imaging (NBI)を用いた経尿道的膀胱腫瘍一塊切除術 

藤田竜二、山下真弘、河内啓一郎、津島知靖(岡山医療センター) 

 

2.        当科における膀胱全摘除術の術後早期合併症の検討

高本 篤、那須良次(岡山労災)杉本盛人(岡山大)

 

3.      尿路上皮癌の肺転移に対して外科的切除を行った2例の検討

片山 聡、藤田 治、眞鍋大輔、三枝道尚、武田克治(香川県立中央)

 

4.        尿管皮膚瘻から回腸導管に尿路変向した1

海部三香子、金 星哲、薬師寺宏、大平 伸、藤田雅一郎、清水真次朗、福元和彦、

常 義政、藤井智浩、横山光彦、宮地禎幸、永井 敦(川崎医大)

 

5.        当院における筋層浸潤膀胱癌に対する膀胱温存治療症例の検討

山本康雄、佐古智子、塩塚洋一、市川孝治、石戸則孝、高本 均(倉敷成人病)

横山昌平(同・内科)

 

6.        馬蹄腎に合併した腎盂癌に対する腹腔鏡下半腎尿管全摘除術の1例

安東栄一、神原太樹、明比直樹(津山中央)

松本裕子(岡山大)

 

7.        体腔鏡下膀胱全摘出術(Laparoscopic Radical Cystectomy:以下LRC)におけるDVC処理の工夫について

弓狩一晃1)、榮枝一磨2)、山崎智也)、西村慎吾3)、枝村康平1)、黒瀬 恭平1)、日下信行1)、雑賀隆史1)  (広島市民)、岡山大2)、岩国医療センター3)

 

8.      腹腔鏡下膀胱全摘除術における初期経験に関する報告

小林泰之、佐々木克己、別宮謙介、和田耕一郎、荒木元朗、江原伸、渡辺豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)

 

<休憩>

 

16001800

7回岡山泌尿器科手術手技研究会

 

要望演題

1.    Narrow Band Imaging (NBI)を用いた経尿道的膀胱腫瘍一塊切除術 

藤田竜二、山下真弘、河内啓一郎、津島知靖(岡山医療センター) 

 

当科ではオリンパス社製ハイビジョンビデオシステム(VISERA ELITE)を20122月より導入し、NBIを併用した経尿道的膀胱腫瘍一塊手術をおこなっている。具体的な方法は、まず通常光で膀胱内を観察し、腫瘍を確認し、NBIに切り替えて腫瘍および腫瘍周辺の観察を行い、さらに膀胱粘膜全体を詳細に観察し、腫瘍の切除範囲を決定しマーキングする。その後、通常光にもどし一塊切除術を行っている。一連の手技の画像を供覧して報告する。

NBI(狭帯域光観察):特殊フィルターにより狭帯域化された2つの波長( 415nm540nm )の光を照射することにより、粘膜表層の毛細血管や粘膜の微細模様の強調所見を得ることが可能となり、血管新生の豊富な腫瘍の描出が鮮明となる。非浸潤性膀胱癌の術中所見では、腫瘍範囲の決定、上皮内癌や微小腫瘍の検出に有用とされる。

 

 

 

 

 

2.      当科における膀胱全摘除術の術後早期合併症の検討

高本 篤、那須良次(岡山労災)杉本盛人(岡山大)

 

【目的】当科で施行した膀胱全摘除術について術後30日以内の早期合併症を中心に検討した。【対象】200810月以降当科で行った膀胱全摘除術34例。男性24例、女性10例、年齢は51-85歳(中央値70歳)、尿路変更の内訳は新膀胱(Studer変法)3例、回腸導管28例、尿管皮膚瘻3例。手術時間343-658分(中央値465分)、推定出血量200-2600ml(中央値900ml)、pT0:1例、pT1:8例、pT2a:4例、pT2b:4例、pT3a:9例、pT3b:4例、pT4:4例、pN0:24例、pN1:10例であった。【結果】術後譫妄11例(32%)、尿路感染に伴う発熱9例(24%)、イレウス7例(21%)、尿漏2例(6%)、手術創離開2例(6%)、骨盤内膿瘍1例(3%)、腸管吻合不全1例(3%)、肺炎1例(3%)、肝機能障害1例(3%)であった。尿路感染に伴う発熱はステント抜去前に1例、抜去後に8例認めた。イレウスの7例はいずれも回腸導管症例で、3例でイレウス管を挿入したが、いずれも保存的に軽快した。イレウスを発症した症例は術後の入院期間が延長する傾向にあった。尿漏の2例のうち、1例は尿管導管吻合部縫合不全であったが、もう1例は回腸導管より腹腔内に漏出していた。腹腔ドレーンを留置し、回腸導管にカテーテルを留置することで、保存的に治療可能であった。【考察】術後早期合併症では譫妄、尿路感染、イレウスが多かった。これらの合併症に対する当科の対策を紹介する。

 

 

 

 

 

3.    尿路上皮癌の肺転移に対して外科的切除を行った2例の検討

片山  聡、藤田 治、眞鍋大輔、三枝道尚、武田克治(香川県立中央)

 

症例168歳男性。200812月左腎盂癌にて腎尿管全摘術施行。病理結果は、Urothelial carcinoma, pT3 Grade2であった。術後補助化学療法としてGC3コース施行した。術後7ヶ月目のCTにて両肺野に小結節出現し、転移性肺腫瘍の診断にて11ヶ月目に両側肺部分切除術施行した。病理検査の結果、腎盂癌の肺転移と診断され、術後GC1コース及びGEM単独2コース施行した。その後、20112月には右肺に再度8mm大の結節を認め、GC3コース施行後、右肺下葉切除術施行。病理検査により、腎盂癌の肺転移と診断された。以後膀胱内再発は認めるものの、他臓器への転移はなく、外来経過観察中である。

症例278歳男性。20071月膀胱癌にて膀胱全摘+回腸導管造設術施行した。病理結果はpT0であった。術後14ヵ月後のフォローCTにて右下葉に15×11mm大の小結節を認め、右肺下葉切除術施行した。病理の結果、膀胱癌の転移と診断された。術後、GC1コース及びGEM単独2コース施行し、外来経過観察中であるが、新たな再発は認めていない。

今回、我々は尿路上皮癌の肺転移に対して、外科的切除を含めた集学的治療にて長期生存を得ている2例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

 

4.      尿管皮膚瘻から回腸導管に尿路変向した1

海部三香子、金 星哲、薬師寺宏、大平 伸、藤田雅一郎、清水真次朗、福元和彦、常 義政、藤井智浩、横山光彦、宮地禎幸、永井 敦(川崎医大)

 

症例は70歳の男性。既往歴の肺動脈血栓症、深部静脈血栓症にてワーファリン内服中であった。20095月、浸潤性膀胱癌(pT2bN0M0,G3>2)に対して膀胱全摘除術を行った。合併症を考慮し、尿路変向は尿管皮膚瘻(広川法)を選択した。術中出血は約400mlで自己血輸血のみで対応した。術後にリンパ漏を来し、更に骨盤部後腹膜腔内のMRSA感染症を合併し治療に難渋した。術後40日目に尿管ステント抜去を試みたが水腎症が出現したため、ステント留置にて外来経過観察とした。しかし、ステントの閉塞とそれに伴う腎盂腎炎を繰り返すため、同年10月、尿管皮膚瘻部の内視鏡検査を施行した。尿管鏡の挿入は可能であったが、ストマから一本化した尿管部までが全体にわたって狭小化していた。

狭窄部のレーザー切開とバルーン拡張術を行ったが効果なく、その後もステント交換後短期間での閉塞を来し、発熱、背部痛を繰り返した。そこで、201010月に尿管皮膚瘻から回腸導管への再尿路変向術を行った。尿管は著しい壁肥厚や瘢痕化を示し、周囲組織との癒着が強固であったが、留置したガイドワイヤーを頼りに左右の尿管を同定、剥離した。中枢側の尿管を左右ともに約4cm確保しWallace法を用いて回腸尿管吻合を行った。術後はステントフリーの状態で腎機能も正常、経過良好である。

 

 

 

 

5.      当院における筋層浸潤膀胱癌に対する膀胱温存治療症例の検討

山本康雄、佐古智子、塩塚洋一、市川孝治、石戸則孝、高本 均(倉敷成人病)

横山昌平(同・内科)

 

当院における筋層浸潤膀胱癌に対する膀胱温存治療の成績について報告する。2006年から2011年までに当科を初診した膀胱癌症例のうち、病理組織学的に筋層浸潤が確認され、画像診断上リンパ節転移、遠隔転移のない症例のうち、膀胱温存治療を行った10例を対象とした。年齢は6787(中央値76)、すべて男性で、臨床病期はT1;2例、T2;6例、T3;2例、病理学的病期はpT2a;4例、pT2b;1例、pT3a;1例、pT3b;1例、pT0;1例、評価困難;2例であった。全例にaggressive TUR を施行し、追加治療として全身化学療法を2例に、動脈注入化学療法を4例に、膀胱部分切除術を2例に施行した。経過観察中に尿管癌を認めた1例に腎尿管全摘除術を施行し、筋層非浸潤腫瘍の再発予防目的にBCG注入療法を2例に施行した。フォローアップ期間は760ヶ月、平均27.5ヶ月で癌なし生存8例、癌あり生存1例、他因死1例であった。全例において排尿に関する大きな問題はなかった。症例が少数でフォローが短期間であるため予後の評価は困難であり、症例選択にも問題が残るが、筋層浸潤膀胱癌に対する膀胱温存治療は有用な治療と考えられた。

 

 

 

 

6.      馬蹄腎に合併した腎盂癌に対する腹腔鏡下半腎尿管全摘除術の1例

安東栄一、神原太樹、明比直樹(津山中央)、松本裕子(岡山大)

 

 症例は64歳、男性。無症候性肉眼的血尿を主訴に近医より紹介され、CTで馬蹄腎を認めた。膀胱鏡検査で左尿管口から血尿を認め、左分腎尿細胞診でclassVbであったので尿管鏡検査を施行した。左上腎杯に広基性乳頭状腫瘍を認め,生検の結果左腎盂癌と診断,腹腔鏡下狭部離断、半腎尿管全摘除術をおこなった。腹腔鏡下の手術時間は5時間40分、出血量は200ml。左腎への栄養血管は動脈2本、静脈2本であり特に問題なく腎茎部への到達、血管系の処理は可能であった。さらに術前3D-CTにて大動脈から峡部へ直接流入する動脈を認め、これら栄養血管を処理した後、峡部をリガシュアーでシーリングし離断した。助手用ポートから下腹部に切開を延長し、開腹で左腎尿管を摘除し、さらに腎離断面の縫合も行った。これまでに馬蹄腎を伴う腎・上部尿路悪性腫瘍に対する鏡視下手術の報告はあまり多くない。われわれは馬蹄腎に合併した腎盂癌に対する腹腔鏡下半腎尿管全摘除術の1例を経験したが、術前に栄養血管や峡部の解剖を十分に検討することで、比較的安全に腹腔鏡下手術が可能になると思われた.

 

 

 

 

7.      体腔鏡下膀胱全摘出術(Laparoscopic Radical Cystectomy:以下LRC)におけるDVC処理の工夫について

 

弓狩一晃1) 、榮枝一磨2) 、山崎智也1)、西村慎吾3) 、枝村康平1)、黒瀬恭平1)、日下信行1) 、 雑賀隆史1) (広島市民1)、岡山大2)、国医療センター3)

 

【目的】当院にて施行されたLRCの術式および治療成績を紹介する。

【対象】20122-7月に当院での適応基準を満たす膀胱癌5例に対しLRCを施行した。【方法】仰臥位または砕石位で30度の頭低位とし、経腹膜でLRPに準じてポートを作成した。鏡視下に膀胱全摘出術と所属リンパ節郭清を完遂した。DVC処理はEchelon Flex Endopath®を用いて一括処理を行った。尿路変更は小切開を追加して代用膀胱1例、また術者右手ポート部を利用して尿管皮膚廔2例、回腸導管2例を行った。【結果】手術時間は平均358分(気腹時間:平均210分)、出血量は平均200mlであった。周術期合併症として自動吻合器による腸管吻合部不全1例を経験したが、体腔鏡下手術による直接的な合併症を認めなかった。【結語】LRCは開腹術と比較して手術時間はほぼ同等であったが、出血量が少ない傾向にあった。LRCに特異的な合併症を認めなかった。

観察期間は短いが、病理組織診断における根治性において良好であった。

適応およびメリットにつき考察を加える予定である。

 

 

 

 

 

8.    腹腔鏡下膀胱全摘除術における初期経験に関する報告

小林泰之、佐々木克己、別宮謙介、和田耕一郎、荒木元朗、江原伸、渡辺豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)

 

腹腔鏡下膀胱全摘除術(Laparoscopic cystectomy:以下LC)は、これまで限られた施設でのみ先進医療として行われてきたが、平成24年度の診療報酬改定により保健診療として施行可能となった(腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術:89,380)。岡山大学泌尿器科では、昨年より本術式導入の準備をすすめ、本年7月より本手術を開始し、これまでに3例施行した。1例目:H222月右腎盂癌に対し右腎尿管全摘除術の既往あり。左腎盂に対し全尿路全摘除術(後腹膜鏡下腎尿管全摘+LC)を施行(手術時間:7時間30分(LC時間3時間30分) 出血量700ml)。2例目:平成234月尿管癌に対し右腎尿管全摘除術の既往あり。膀胱癌(BCG無効上皮内癌)に対しLC+尿管皮膚瘻(手術時間:6時間30分 出血量 1000ml)。3例目:膀胱癌(cT2N0M0)に対しLC+リンパ節郭清(郭清領域:総長骨、外腸骨、内腸骨、閉鎖)、小切開下に回腸導管造設施行(手術時間:8時間30分 出血量:500ml)。LCの導入時の問題点としてはリンパ節郭清の範囲、尿道抜去・尿路変更の手技などが挙げられる。今回の発表では3例目の術中ビデオを供覧し、我々の方法を紹介するとともに初期導入の問題点を考察する。