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日本泌尿器科学会岡山地方会

プログラム・予稿集

 

 

 

 

 

 

日 時: 平成24年12月8日(土) 学術集会:午後2時
    懇 親 会:午後6時30分
場 所: おかやま三光荘
岡山市中区古京町1丁目7-36
TEL (086) 272-2271
 



参加者の皆様へ

 

1.         受付は会場入口で行ないます。会員証に出席証明の捺印を致します。

2.         会場費として2000徴収させていただきます。

3.         一般演題は口演時間7分、討論3分です。時間厳守でお願いします。

4.         コンピュータープレゼンテーション演題はファイルをEメール、もしくはフラッシュメモリーにコピーして、    126日(木)までに、事務局に送付して下さい。動作の確認をします。もし、変更がありましたら、当日フラッシュメモリーをご持参下さい。Eメールで8M以上のファイルを送付されますと、岡山大学のメールサーバーが不具合となりますので、ご遠慮下さい。

5.         事前にお送りいただいた発表スライドをやむを終えず変更する場合は当日学会開始20分前までに差替えて下さい。

6.         PowerPoint以外のソフトで作成した図、グラフや動画を挿入している場合には、コンピューターの環境により表示されないことがありますのでご注意下さい。特に動画を挿入されている場合には、コピー元ファイルも必要です。

7.         会場での質疑応答は、座長の許可を受けた上で、必ず、所属、氏名を明らかにしてからご発言下さい。

8.         懇親会場は3階和室宴会場『吉備』にて630分より予定しております。

会費は8000円です。

 

2009年度よりIT化導入のため、参加単位登録カウンターを設置しております。日本泌尿器科学会会員カードを忘れずにお持ち下さい。尚、従来の参加証も証明印を押印致しますので、お持ち下さい。

 

     今回は学術集会、懇親会とも三光荘ですのでよろしくお願い致します

日医生涯教育制度

 単     位:4単位

 カリキュラムコード: 2[継続的な学習と臨床能力の保持],8[医療の質と安全],

15[臨床問題解決のプロセス], 64[肉眼的血尿],

65[排尿障害(尿失禁・排尿困難)],66[乏尿],67[多尿],

84[その他]

 
 

 

 

 

 

 


プログラム

 

一般演題    

 

14:0015:00                                        座長 荒木元朗(岡山大)

 

1.      広島市民病院におけるロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除(RALP)の初期経験

雑賀隆史、枝村康平、黒瀬恭平、日下信行、弓狩一晃、山崎智也(広島市民)

 

2.      腎門部に発生した腎腫瘍に対する自家腎移植2症例

光畑直喜、伊藤誠一(呉共済)佐々木なおみ(同・病理診断科)

 

3.      外傷性腎動脈閉塞に伴う腎梗塞を発症し、異なる経過をたどった2

中塚浩一、上松克利、山田大介(三豊総合)

 

4.      迅速な診断および血管内血腫除去術にて腎機能を温存し得た腎梗塞の1例

岸本 涼1)、瀬野祐子1)、竹内英実2)、小松原一正2)、赤澤信幸1) 1)岡山済生会、2)同・循環器内科)

 

5.      高齢女性に発症した気腫性腎盂腎炎の1例

渡邉雄一(十全総合)佐々木章公(同・外科)

 

6.      術前補助療法として分子標的薬が無効であった左腎癌・下大静脈腫瘍塞栓の1例

吉岡貴史、倉橋寛明、谷本竜太、佐々木克己、小林泰之、荒木元朗、江原 伸、渡邉豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)信岡大輔、篠浦 先、八木孝仁(同・肝胆膵外科)

明比直樹(津山中央)

 

15:0016:00                                        座長 井上幸治(倉敷中央)

 

7.      腎癌に対する分子標的治療薬投与中に腎不全をきたした1

山下真弘、津島知靖、藤田竜二、河内啓一郎(岡山医療センター)

 

8.      当科で経験した先天性水腎症の検討

片山修一1)2)、後藤隆文1)2)、高橋雄介1)2)、浅井 武1)2)、藤原香織里1)、大徳芳江1)

青山興司1)2)1)岡山医療センター・小児外科、2)NPO法人中国四国小児外科医療支援機構)

 

9.      当科におけるTubulalized Incized Plate (TIP)症例についての検討

今治玲助、橋本晋太郎、佐伯 勇、秋山卓士(広島市民・小児外科)

 

10.  当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(LPEC法)の初期経験

山崎智也1)、弓狩一晃1)、松本裕子3、枝村康平1)、黒瀬恭平1)、日下信行1)、雑賀隆史1)

橋本晋太郎2)、佐伯 勇2)、今治玲助2)、秋山卓士2)1)広島市民、2)同・小児外科、3)岡山大)

11.  精路と交通した尿管瘤と思われた1例

片山 聡、富永悠介、藤田 治、眞鍋大輔、三枝道尚、武田克治(香川県立中央)

 

12.  尿道カテーテルが尿管内に迷入した1例

石川 勉1)、荒木元朗2)、平田武志2)、別宮謙介2)、岸本 涼3)、和田耕一郎2)

江原 伸2)、上原慎也4)、渡辺豊彦2)、那須保友2)、公文裕巳2)

1)高知医療センター、2)岡山大、3)岡山済生会、4)我孫子東邦)

 

休 憩

 

16:1017:10                                        座長 佐古真一(岡山赤十字)

 

13.  気腫性膀胱炎の3例

安東栄一、神原太樹、明比直樹(津山中央)

 

14.  鼠径ヘルニアとの鑑別に苦慮した精索脂肪肉腫の1

森 聰博、坪井 啓、白ア義範(三原赤十字)

 

15.  線維腫様精巣周囲炎の1

石井和史、上杉達也、津川昌也(岡山市立市民)

 

16.  癌性疼痛に対するオピオイド使用中に経験した排尿障害例の検討

高本 篤、那須良次(岡山労災)杉本盛人(岡山大)

 

17.  デュタスタリド内服により診断が遅れたと思われる進行前立腺癌の1例

甲斐誠二、畠 和宏、岸 幹雄(福山市民)

 

18.  陰茎折症の1例

定平卓也、堀川雄平、野崎邦浩、大枝忠史(尾道市立市民)植田秀雄(本郷中央)

 

17:1018:0                                       座長 橋本英昭(岡山中央)

 

19.  膀胱全摘後に恥骨骨髄炎を引き起こした1例

小泉文人、西村慎吾、中田哲也、小武家誠(岩国医療センター)

 

20.  膀胱大細胞神経内分泌癌の1例

水野 桂、浅井聖史、酒谷 木村 岡添 豊里友常、西澤恒二、井上幸治、

寺井章人(倉敷中央)

 

21.  腹腔鏡下膀胱部分切除術の3例の検討

藤田雅一郎、宮地禎幸、金 星哲、薬師寺宏、大平 伸、清水真次朗、福元和彦、

海部三香子、常 義政、藤井智浩、横山光彦、永井 敦 (川崎医大)

22.  腎盂尿管移行部狭窄症に対しAnderson-Hynes法によるロボット補助下腎盂形成術の1例

 〜 本邦 第1例目報告 〜

小林泰之、荒木元朗、佐々木克己、江原 伸、渡辺豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)

 

23.  TVM術後にメッシュ除去術を施行した2例

佐古智子、高本 均、塩塚洋一、市川孝治、山本康雄、石戸則孝(倉敷成人病)

横山昌平(同・内科)

 

24.  前立腺肥大症に伴う下部尿路症状(LUTS)に対するナフトピジルとシロドシンの臨床効果比較試験−NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構多施設共同前向き比較試験−

渡辺豊彦、和田耕一郎、佐々木克己、公文裕巳(岡山大)横山光彦、永井 敦(川崎医大)

真鍋大輔、武田克治(香川県立中央)小野憲昭(高知医療センター)

小武家誠(岩国医療センター)藤田竜二(岡山医療センター)

 

18:018:25

 

日本泌尿器科学会西日本保険委員会報告

津島知靖(岡山医療センター)

渡辺豊彦(岡山大)

武田克治(香川県立中央)

赤枝輝明(津山東クリニック)

 

18:30

懇親会                   おかやま三光荘3F和室宴会場『吉備』

 

 

 

 

 

 

一般演題

1.      広島市民病院におけるロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除(RALP)の初期経験

雑賀隆史、枝村康平、黒瀬恭平、日下信行、弓狩一晃、山崎智也(広島市民)

 

(緒言)広島市民病院では20129月に手術支援ロボット(Da Vinci S)を導入し、同月末より前立腺癌に対してロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除(RALP)をおこなっているのでその初期経験を報告する。

(対象および方法)20129月より11月までの間に前立腺癌9症例(60-73歳、中央値62歳、PSA中央値6.7ng/ml (3.2-11.9))に対してRALPをおこなった。腹腔内アプローチで25度頭低位にし、3rd armを右側に配置する方法で、膀胱頸部離断はsemi-lateral approachでおこなっている。これらの手術成績を検討した。

(結果)9症例における手術時間は163分から249分、中央値191分であり、尿込み出血量は少量から200ml(中央値50ml)であった。コンソール時間は113分から210分、中央値139分であり、コンソール以外に要した時間は全症例で60分未満であった。全例に後壁補強をおこない、5例で片側の神経温存をおこなった。特記すべき合併症はなく、全例7日目にカテーテルを抜去した。

(結論)極めて治療初期の評価のため、腫瘍学的評価や排尿および性機能などの中長期的評価が待たれるが、導入初期の段階において比較的安定した成績であり、導入前からコメディカル、麻酔科などとのチーム体制におけるトレーニングの成果が出たと考える。

 

 

 

 

2.      腎門部に発生した腎腫瘍に対する自家腎移植2症例

光畑直喜、伊藤誠一(呉共済)佐々木なおみ(同・病理診断科)

 

症例1 69歳女性。CTで左腎門に4.0×3.3cmの腫瘍。反対側腎機能低下あるため、ミニ創で腎摘体外手術後、自家腎移植実施。2本の尿管を別々に新吻合する。TIT 3時間11分。clear cell ca. pT1aN0M0. 術前eGFR70.5C0.63→術後eGFR77.2Cr0.58

症例2 45歳女性。外傷性食道裂孔ヘルニアによる縦隔洞炎にてICU入院。偶然、CTで右腎門に5.5cm×5.0cmの腫瘍、偽被膜あり。CTMRIでは、通常型とは異なる腎癌として泌尿器、放射線科Drs.も悪性と判断。6歳時での頭蓋内咽頭腫手術で、右眼失明、左眼視野狭窄、副腎皮質機能障害、甲状腺機能障害、無月経。低Na血症良化後、腎摘体外手術後、自家腎移植実施。TIT 3時間12分。病理組織型はexpansive hemangioma.術前eGFR56.7Cr0.80→術後eGFR56.3Cr0.86。反対側腎機能に問題がある腫瘍に対するin situでの腎部分切除は可及的に実施努力を要するが、困難なケースでは、自家腎移植の適応となる。我々は、非血縁間の修復腎移植のprospectiveな臨床研究(米国Clinical Trials.govに登録)を通じて、さらなるスキル向上に努めており、高いNephrometry scoreを有する腎腫瘍について自家腎移植も選択肢として有用。

 

 

 

 

3.      外傷性腎動脈閉塞に伴う腎梗塞を発症し、異なる経過をたどった2

中塚浩一、上松克利、山田大介(三豊総合)

 

【症例123歳男性。20108月乗用車の自損事故にて腹部外傷を来し当院救急受診。CT上左腎損傷及び脾損傷を認めた。左腎は2本ある腎動脈の内上極枝の内膜剥離に伴う閉塞と支配領域の造影不良を認めた。全身状態が安定していること及びその他の部位の外傷との関係で保存的治療を選択。入院後2日目のCTで上極枝の再開通を認めた。以後外傷については保存的に加療し退院。経過中腎機能の低下なく推移した。【症例271歳男性。20123月乗用車同士の事故にて腹部外傷を来し当院救急受診。CT上左腎損傷と腸間膜周囲の血腫を認めた。左腎は2本ある腎動脈の内本幹の内膜剥離に伴う閉塞と支配領域の造影不良を認めた。全身状態が安定していることと他臓器との関係から保存的加療を選択。外傷は保存的に経過観察可能であったが腎動脈は再開通せず、経過中に腎機能の低下及び腎萎縮を認めた。【考察】腎茎部血管損傷に対する治療として、血管縫合や血管再建等の積極的治療を試みるという報告がある。ただ交通外傷の場合は他臓器の外傷との関係もあり、保存的に経過を見ざるを得ない場合もある。自験例は2例とも他臓器の損傷も合併しており、保存的に加療を行った。他臓器損傷を合併している際に腎外傷の治療をどう行っていくべきか文献的考察も加えて報告する。

 

 

 

4.      迅速な診断および血管内血腫除去術にて腎機能を温存し得た腎梗塞の1例

岸本 涼1)、瀬野祐子1)、竹内英実2)、小松原一正2)、赤澤信幸1) (岡山済生会1)、同・循環器内科2)

 

【緒言】腎梗塞は比較的まれであり、しばしば尿管結石等と誤診されやすい疾患である。しかしながら適切な診断、加療が行われない場合腎機能に多大な影響を与える緊急疾患でもある。今回我々は迅速な診断および血管内血腫除去術にて腎機能を温存し得た腎梗塞の一例を経験したので報告する。【症例】61歳男性、既往歴は特記事項なし、不整脈なし。【現病歴】3日前から嘔気、右上腹部痛あり近医より右尿管結石疑いにて紹介された。初診時上腹部痛が持続し尿検査上血尿を認めたものの、腹部超音波検査上水腎症等結石を示唆する所見は認めなかった。採血にて炎症反応の上昇を認め、上腹部痛の精査目的に単純CTを施行、右腎の著明な腫大を認め、腎膿瘍等を疑い造影CTを追加で施行した。その結果右腎動脈の一部に描出不良を認め腎梗塞疑いと診断、同日循環器内科にて緊急の腎動脈造影、血管拡張術施行となった。【経過】動脈造影にて右腹側の分枝が入口部より閉塞しており、そのやや末梢側に閉塞起点を認めた。同部位で血栓吸引を計4回施行、赤色の血栓を多数吸引した。吸引後造影にて血栓の一部残存は認めたものの梗塞部末梢の腎実質が造影されるようになり血流の改善を確認した。同日ヘパリン持続静注とワーファリン内服を開始、APTT60-80secを目標に漸増しPT-INRを治療域へ調整し退院となった。治療後2ヶ月の造影CTにて右腎の造影不良域は縮小を認め、腎レノグラムによる分腎機能評価では右:=65:35とむしろ右腎機能の方が良好であった。【考察】本症例では元々左腎は萎縮傾向であり、右腎梗塞の診断加療が遅れると腎機能に多大な影響を与え得る状態であった。腎梗塞はまれではあるが腎機能の観点から早期の診断加療が必要な泌尿器科的緊急疾患のひとつである。本症例について文献的考察を交えて報告する。




5.      高齢女性に発症した気腫性腎盂腎炎の1例

渡邉雄一(十全総合)佐々木章公(同・外科)

 

症例は85歳、女性。糖尿病にて他院通院治療中。2011921日午後、発熱、嘔吐、全身倦怠感などが出現。同日夕方、当院へ救急搬送された。腹部CTにて右腎周囲の血腫、右腎盂、腎実質、血腫内および腎筋膜外のガスを認め、気腫性腎盂腎炎と診断した。来院時、腹痛は軽度で、採血での炎症所見も軽度なことから、保存的治療としてメロペネムの投与などを開始したが、翌22日朝には収縮期血圧の80台への下降、採血検査での著明な白血球増加、CRP上昇および血小板減少、再検CTでのガスおよび胸腹水の増加傾向などの所見を認め、手術治療が必要と判断した。腎周囲血腫の存在から、経皮的ドレナージでは十分な効果が得られない可能性があること、悪性腫瘍の存在も否定できないことなどより、同日経腰的右腎摘除術を施行した。組織検査では悪性所見はなかった。血腫培養では大腸菌を検出した。術後の経過は良好であった。高齢女性に発症した気腫性腎盂腎炎の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。

 

 

 

6.      術前補助療法として分子標的薬が無効であった左腎癌・下大静脈腫瘍塞栓の1例

吉岡貴史、倉橋寛明、谷本竜太、佐々木克己、小林泰之、荒木元朗、江原 伸、渡邉

豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)信岡大輔、篠浦 先、八木孝仁(同・肝胆膵外科)

明比直樹(津山中央)

 

症例は42歳、男性。陰嚢腫大を主訴に20129月に前医を受診。左精索静脈瘤および腹部超音波検査にて左腎腫瘤を認めたため、造影CTおよび造影MRI検査を施行したところ、左腎癌および腰静脈から腰静脈ならびに横隔膜下まで進展した下大静脈腫瘍塞栓を認めた。腰静脈内腫瘍塞栓の外科的摘出が困難との判断より、術前補助療法としてsunitinib50mg/日を28日間投与した。しかし効果判定のCT検査で原発巣および腫瘍塞栓の増大を認めたため、加療目的に10月当科紹介となった。受診時下肢の浮腫が著明であり、また当科で施行した造影CTMRI検査では、下大静脈腫瘍塞栓は一部右心房まで達しており、腫瘍塞栓による下大静脈症候群、急性肝不全および肺血栓塞栓症のリスクが非常に高いと判断したため、11月、左腎動脈塞栓術を施行し、翌日左腎摘除術および腫瘍塞栓摘除術を施行した。手術は開腹・開胸で行い、右大伏在静脈と左腋窩静脈で静脈バイパスを併用、手術時間は779分、出血量は5,500ml32単位の濃厚赤血球輸血を要した。術後経過は良好で、肺塞栓などの合併症も認めていない。分子標的治療薬の台頭により、進行腎癌の腫瘍縮小目的に術前補助療法が行われるケースがあるが、本症例では無効であった。若干の文献的考察を加え、報告する。

 

 

7.      腎癌に対する分子標的治療薬投与中に腎不全をきたした1

山下真弘、津島知靖、藤田竜二、河内啓一郎(岡山医療センター)

 

【症例】60歳代女性

【現病歴】 H127月に他院で左腎摘除術施行した(淡明細胞癌、G2G3)。H1810月のCTで傍大動脈リンパ節転移および肝転移指摘され、同月当科紹介初診。11月の CTでは傍大動脈リンパ節・肝・副腎・膵転移を認め、 IFN開始(300万単位)11月下旬からIL-235万単位/週)併用。H205月からソラフェニブ800mg内服開始した。H2210月ソラフェニブ内服中止。11 スニチニブ37.5mg内服を4週内服・2週休薬で開始。H233 スニチニブ37.5mg2週内服・2W休薬に減量した。5月のCTでリンパ節・肝・副腎・膵転移縮小したため、以後の処方は前医で継続とした。H24 8月、腎不全(Cr 8.46mg/dl)で当院紹介、緊急入院、スニチニブ中止し、補液開始した。入院3日目に血液透析施行し、入院8日目にはCr 1.89mg/dlまで改善した。CTではSDであった。入院13日目に一旦退院。9月からアキシチニブ導入し、現在は6rで外来処方継続中である。

術後6年後に転移を認めた腎細胞癌に対し、スニチニブ投与中に腎不全を来した1例を経験した。当院でのスニチニブ投与例での有害事象についても併せて報告する。

 

 

 

8.      当科で経験した先天性水腎症の検討

片山修一1)2)、後藤隆文1)2)、高橋雄介1)2)、浅井 武1)2)、藤原香織里1)、大徳芳江1)

青山興司1)2)1)岡山医療センター・小児外科、2)NPO法人中国四国小児外科医療支援機構)

 

先天性水腎症では、異常血管などの外因性、腎盂尿管移行部狭窄などの内因性に起因し腎盂拡大を来す。臨床においては、胎児エコーの発達により先天性水腎症は出生前に診断される症例が増加して久しい。出生前診断された水腎症症例ではそのほとんどが手術せずに経過を見ることができると言われているが、その一方で学童期までに50%の患児で手術を要したという報告もある。今回我々は当科において過去10年の間に入院した先天性水腎症(疑いも含める)症例114例のうち腎盂形成術を行った症例は40症例であった。そのうち出生前診断症例23例について、出生後診断症例17例と比較検討したので報告する。

 

 

 

9.      当科におけるTubulalized Incized Plate (TIP)症例についての検討

今治玲助、橋本晋太郎、佐伯 勇、秋山卓士(広島市民・小児外科)

 

[緒言] 近年尿道下裂に対してTubulalized incised plate法(TIP法)が標準術式となりつつある。今回、当科におけるTIP法施行症例について報告する。

[方法] 20108月〜201210月まで当科においてTIP法を施行した尿道下裂症例について検討した。適応はDeglovingおよび索切除後人工勃起により索が解除される、またはBaskin法で矯正しうる範囲であることとした。

[結果] 症例は6例。病型は陰茎近位型2例、中位型1例、遠位型2例、冠状溝下部1例であった。ステント留置期間は912日間、入院期間は1419日間であった。縫合不全・瘻孔形成は認めなかったが、3例に包皮びらんを認め1例で尿線がやや細い。

[考察] 本法は尿道下裂に対しsimpleで安全に施行しうる方法と考えられた。しかし多くの報告にあるように狭窄をきたす可能性があり注意が必要である。

 

 

 

 

10.当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(LPEC法)の初期経験

山崎智也1)、弓狩一晃1)、松本裕子3、枝村康平1)、黒瀬恭平1)、日下信行1)、雑賀

隆史1)、橋本晋太郎2)、佐伯 勇2)、今治玲助2)、秋山卓士2)1)広島市民、2)同・小児外科、3)岡山大)

 

【緒言】

小児鼠径ヘルニアの手術法として、腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(LPEC法)がその優れた整容性と低侵襲性、対側検索の確実性から急速に広まりつつある。当院の小児外科においても20126月から当術式を導入しており、その初期経験について報告する。

【対象・方法】

20126月〜10月に腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(LPEC法)を施行された女児22(年齢:02ヵ月-91か月、中央値 49.5ヶ月)20104月〜20128月までに施行された女児の鼠径ヘルニア手術(Potts法)施行された女児90(年齢:00ヵ月-1111か月、中央値 50.5ヶ月)の手術成績を比較した。

【結果】

手術時間は、片側症例ではLPEC法:中央値35分、Potts法:中央値37分と有意差は認めなかったが、両側症例ではLPEC法:中央値44分、Potts法:中央値61分と有意にLPEC法で短縮していた。

両方法ともに術中・術後の重篤な合併症は認められなかった。

Potts法では初回片側術後の6(8)に対側再発を認めた。

【結語】

LPEC法は整容性に優れ、手術成績においてもPotts法と遜色ない結果であった。特に、両側症例においてLPEC法はPotts法に比べ、手術時間の有意な短縮を認めた。





11.精路と交通した尿管瘤と思われた1

片山 聡、富永悠介、藤田 治、眞鍋大輔、三枝道尚、武田克治(香川県立中央)

 

症例は23歳男性。20127月頃より、右鼠径部に柔らかい腫瘤を自覚。腫瘤は自然に消失するが腹圧がかかると膨隆し、時に疼痛を伴うため近医内科を受診した。右鼠径ヘルニア疑いにて当院内科紹介受診し、単純CTにて右鼠径ヘルニアと、右腎欠損、右尿管瘤を指摘されたため、当科紹介となった。膀胱鏡では、右尿管口があると思われる部位に表面平滑な尿管瘤様腫瘤を認めた。以上より右尿管瘤の診断にて、201210月に経尿道的尿管瘤開窓術施行した。尿管瘤と思われる腫瘤を経尿道的に切開・一部切除し、開窓した。すると、白色混濁した内容液の流出を認め、内容液検査にて多数の精子の存在を認め、精路と尿路の交通が示唆された。

術後に撮影したMRIにて左に偏移した右精路の尿管瘤への異所性開口を認めた。以上より、1)右腎欠損、2)右盲端尿管、3)右尿管瘤、4)右精路の精路への異所性開口、と診断した。

今回我々は、右精路の尿管瘤への異所性開口、という非常にまれな先天性奇形を経験したため、若干の文献的考察を加えて報告する。

 

 

 

 

12.尿道カテーテルが尿管内に迷入した1

石川 勉1)、荒木元朗2)、平田武志2)、別宮謙介2)、岸本 涼3)、和田耕一郎2)

江原 伸2)、上原慎也4)、渡辺豊彦2)、那須保友2)、公文裕巳2)

1)高知医療センター、2)岡山大、3)岡山済生会、4)我孫子東邦)

 

【緒言】尿道留置カテーテルの挿入は比較的安全な操作であり、多くの医療機関で日常的に行われている。今回、尿道カテーテル挿入において非常に稀な合併症である尿管迷入の一例を経験したので報告する。【症例】37歳・女性。27歳で胸椎後縦靭帯骨化症を発症。広汎椎弓形成術を施行されたが、術後完全対麻痺・尿閉を来たし、28歳時より尿道カテーテル留置を継続されていた。術後9年間、尿道カテーテルを定期交換されていたが、最終交換後当日よりカテーテル脇からの尿漏れが出現し、2日後に当科紹介となった。カテーテル閉塞を疑い膀胱洗浄試みるも施行できず。US行い膀胱内にカフが確認できなかったため、腹部CT施行したところ、尿道カテーテル先端が左尿管内に迷入していた。その後US観察下にカテーテルを膀胱内に引き戻した。後日再度CT施行し、明らかなurinomaは認めていない。【考察】尿道カテーテル挿入において非常に稀な合併症である尿管迷入の一例を経験したので、文献的考察を含めて報告する。

 

 

 

 

13.気腫性膀胱炎の3例

安東栄一、神原太樹、明比直樹(津山中央)

 

 気腫性膀胱炎は膀胱壁内に感染した細菌がCO2を産生,貯留させる壊死性尿路感染症であり、比較的稀であるとされている。我々はその3例を経験したので報告する。【症例1】53歳、女性。既往歴:糖尿病、糖尿病性腎症。2012年8月4日、嘔気継続のため救急外来を受診。CTで膀胱に気腫性変化を認めた。尿道カテーテルを留置の上、TAZ/PIPC投与し軽快。尿培養は大腸菌。【症例2】62歳、女性。既往歴:糖尿病、糖尿病性ネフローゼ。2012年8月4日、浮腫、溢水状態の悪化のため当院受診。下腹部に圧痛あり、CTで膀胱壁中にガス像あり。レジオネラ肺炎の併発もみられ、尿道カテーテル留置の上、LVFX点滴で改善。尿培養は大腸菌。【症例375歳、女性。既往歴:糖尿病、脳梗塞後、子宮頸癌術後。2012118日、S状結腸軸捻転のため当院へ救急搬送。CTで膀胱に気腫性変化あり。腸疾患に関しては外科手術、気腫性膀胱炎は尿道カテーテル留置のうえ、TAZ/PIPC投与で改善。通常、気腫性膀胱炎はドレナージ、抗菌薬投与などの保存的治療で改善がえられるとされ、最近の自験例3例でも保存的に治癒可能であった。多少の文献的考察を加え報告する

 

 

 

 

14.鼠径ヘルニアとの鑑別に苦慮した精索脂肪肉腫の1

森 聰博、坪井 啓、白ア義範(三原赤十字)

 

症例は70歳男性。左鼠径部の無痛性腫大を自覚し、近医内科を受診した。左鼠径ヘルニア疑いで当院外科紹介受診となるも、典型的な鼠径ヘルニアの所見とは異なるため精索腫瘍の可能性も疑われ当科紹介受診となった。

触診上、鼠径部から陰嚢内に続く無痛性の手拳大弾性軟腫瘤を認め、CTでは鼠径管から陰嚢へと充填する脂肪成分を認めた。

脂肪腫、脂肪肉腫も鑑別診断に挙がったが、大網を内容物とした鼠径ヘルニアである可能性を否定できず、まずは外科によるヘルニア根治術を施行した。鼠径管内にヘルニア嚢は認めず、引き続き当科による腫瘍摘出術に移行した。腫瘍は周囲との境界は明瞭で癒着は認めなかったが、精索および精巣と連続していたため肉腫の可能性も考慮し、腫瘍・精索・精巣を一塊として摘出した。

病理診断は脂肪肉腫(Well differentiated liposarcoma)であった。

術後7カ月経過しているが、現在のところ再発・転移は認めていない。

今回われわれは精索に発生した脂肪肉腫を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。

 

 

 

 

15.線維腫様精巣周囲炎の1

石井和史、上杉達也、津川昌也(岡山市立市民)

 

症例は57才。右陰嚢内腫瘤を主訴に当科を受診した。合併症に知的障害、てんかんがあり、障害者施設入所中である。触診にて右陰嚢内に超母指頭大の硬結を触知した。触診上、腫瘤は精巣あるいは精巣上体のいずれに存在するか判別困難であった。腫瘍マーカーはLDH 167IU/LAFP 2.9ng/mL、血中HCGβ 0.1 ng/mL以下といずれも正常範囲内であった。腹部・骨盤部CTでは、傍大動脈リンパ節腫大は認めず、また陰嚢内腫瘤は精巣外に存在することも疑われた。以上から、精巣腫瘍の確定診断には至らなかったが、否定できないため、精巣高位摘出術を施行した。摘出標本では精巣内に25mm大の白色調で非常に硬い腫瘍を認めた。病理学的検査の結果、腫瘍は密な膠原線維から成り、内部に広く石灰化を認め、線維腫様精巣周囲炎 Fibromatous periorchitisと診断した。精巣固有鞘膜には異常を認めず、精巣白膜から発生した腫瘍と考えられた。病理学的に悪性所見は認められず、現在経過観察中である。今回我々は、線維腫様精巣周囲炎、あるいは線維性偽腫瘍と呼ばれる、精巣被膜、精巣上体、精索など精巣周囲の組織から発生する稀有な炎症性良性腫瘍を経験したので、文献的考察を踏まえ報告する。

 

 

 

 

16.癌性疼痛に対するオピオイド使用中に経験した排尿障害例の検討

高本 篤、那須良次(岡山労災)杉本盛人(岡山大)

 

【目的】近年、緩和療法への関心の高まりにつれ、癌性疼痛例へのオピオイドの使用が増加しており、その副作用として尿閉などの排尿障害をたびたび経験する。オピオイド使用中に排尿障害をおこした症例について検討し、その傾向を調べた。【対象と方法】20101月〜20128月まで、当院で癌性疼痛に対し、オピオイド製剤を処方された悪性腫瘍306例(男性204例、女性102例、平均年齢70.0歳(18-91歳))のうち、排尿障害で泌尿器科紹介となった症例を対象とした。【結果】8例(男7例、女1例、平均年齢70.5歳)が泌尿器科受診した。原疾患の内訳は直腸癌2例、肺癌2例、悪性胸膜中皮腫2例、乳癌1例、原発不明癌1例であった。2例はオピオイド導入時に発症し、うち1例は乳癌の女性で完全尿閉であった。2例ともにα1受容体阻害薬を内服し、症状は軽快した。6例はオピオイド増量時に発症した。全例でα1受容体阻害薬の内服を開始し、2例で間歇導尿を併用、1例でコリン作動薬を併用した。5例で症状の改善認め、間歇導尿を行った2例中1例では導尿を中止できた。1例は全身状態の悪化に伴い尿道カテーテル留置を余儀なくされた。男性7例のうち4例は前立腺肥大があり、1例は前立腺癌の既往があった。【結論】オピオイドによる排尿障害は男性に多く、α受容体遮断薬で改善できる症例が多かった。排尿障害は導入時だけでなく、増量時にも発症しており、注意が必要である。

 

 



17.デュタスタリド内服により診断が遅れたと思われる進行前立腺癌の1

甲斐誠二、畠 和宏、岸 幹雄(福山市民)

 

20099月より本邦でもデュタスタリドが使用され、前立腺肥大症診療ガイドラインにも、大きい前立腺腫大に対するα遮断薬との併用の有効性が示されている。また、前立腺肥大症治療だけでなく、前立腺癌の予防効果があるとの報告がある一方、高悪性度前立腺癌は増加したとの報告もある。今回、我々はデュタスタリド使用により、前立腺癌の診断が遅れた可能性がある症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。

症例は70歳代男性。前医で2006年より前医で前立腺肥大症に対してα遮断薬による内服加療されていた。201010月よりデュタスタリドの併用療法開始。以後PSAは漸減していた。201110ASTALT上昇したためデュタスタリド中止されたが、20126PSA63.19ng/mlと高値を認めた。当院外科での胃癌術後フォローのCTでも7月多発骨転移を認め、8月当科紹介受診された。前立腺針生検により中〜低分化型腺癌の診断を得、CAB療法を施行した。現在外来通院加療中である。

 

 

 

18.陰茎折症の1

定平卓也、堀川雄平、野崎邦浩、大枝忠史(尾道市立市民)植田秀雄(本郷中央)

 

症例は50歳代男性。早朝、排尿を我慢した状態で勃起を認めたが、さらに我慢しようとして陰茎を尾側へ手で押さえた際に異音を認めた。直後から陰茎に腫脹と疼痛を認めたため近医を受診し、陰茎折症を疑われ当科へ紹介された。初診時、陰茎は全体に腫脹し強い疼痛を認めた。陰茎の変形は軽度であったが、陰茎包皮は冠状溝から陰茎根部にかけて右側を中心に紫変し強い浮腫を伴っていた。以上より陰茎右側皮下に血腫を形成していると考えられた。CTでは陰茎海綿体白膜右側の連続性の欠如と出血・浮腫による周囲の軟部組織増生を認めた。陰茎折症と診断し、同日陰茎白膜縫合術及び皮下血腫除去術を施行した。最も腫脹の強い部分の陰茎右半周に包皮切開を加え、白膜の断裂部を同定した。その結果、陰茎海綿体白膜の右側から腹側にかけて約10mmの断裂を認め、尿道海綿体の一部を遊離した上で3-0バイクリルで結節縫合した。断裂は尿道海綿体の一部と接していたが、尿道損傷は認めなかった。血腫除去後に白膜の他の部位に損傷がないことを確認した。術後陰茎腫脹は改善し、術後5日目に退院した。外来で経過観察中であるが、術後1ヶ月の時点で勃起不全や陰茎の変形を認めていない。

 

 

 

 

19.膀胱全摘後に恥骨骨髄炎を引き起こした1例

小泉文人、西村慎吾、中田哲也、小武家誠(岩国医療センター)

 

症例は68歳女性。20124月に左下腹部痛にて当科受診、膀胱鏡で、膀胱頚部〜後壁を占拠する巨大な非乳頭状腫瘍を認め、CTMRIで膀胱内に長径6cm程度の腫瘍、両側骨盤所属リンパ節転移を認め、また腫瘍の両側尿管口浸潤のため両側水腎症も呈していた。以上より膀胱癌cT2bN2M0と診断し、両側水腎症に対して両側腎瘻造設の上、5月にTURBT施行、術前化学療法としてGC療法3コース行い、8月末に膀胱子宮全摘・回腸導管造設術を施行した。周術期抗菌薬はABPC/SBTPOD5まで投与した。POD20CRP陰性化したが右下肢痛の訴えが始まり、POD25CRP5.6に上昇、37台の微熱が出現した。CAZ投与開始もさらにCRP上昇し、CTで骨盤底に膿瘍と膣前壁欠損・右恥骨骨髄炎が判明した。右恥骨骨髄炎による右下肢痛、歩行困難と判断し、抗菌薬をMEPMに変更・膣洗浄開始もさらにCRPの上昇及びCTで局所所見の悪化を認めVCMに変更した。VCM開始後も解熱傾向ないため、LZD点滴投与に変更した。LZD投与開始10日目でCRPは陰性化しLZD投与を終了とした。以後抗菌剤投与なしで炎症反応上昇も認めず、下肢症状も改善した。

恥骨骨髄炎は全骨髄炎の1%程度と比較的稀な疾患であるが、その原因として泌尿器科や婦人科手術後に発症することが多い。今回の症例に対して若干の文献的考察を加え報告する。

 

 

 

 

20.膀胱大細胞神経内分泌癌の1

水野 桂、浅井聖史、酒谷 木村 岡添 豊里友常、西澤恒二、井上幸治、

寺井章人(倉敷中央)

 

症例は72歳男性。肉眼的血尿を主訴に当科を受診し、膀胱鏡にて膀胱右側壁に大きな非乳頭状腫瘍を認めた。CTにて膀胱右側壁に壁外へ突出する60mm大の腫瘤を認め、10mm大の多発肝転移を認めた。生検目的に経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行し、病理組織学的所見は一部に尿路上皮癌の成分を有する大細胞神経内分泌癌の所見であった。術後、膀胱尿路上皮癌に準じGC療法を2コース施行し、原発巣及び転移巣の縮小を認めた。今後はGEM単剤による維持療法を施行する方針である。大細胞神経内分泌癌は稀な疾患であるが、転移・再発が高頻度に起こるため予後不良とされており、その生物学的特徴は小細胞癌と類似している。本症例においても厳重な経過観察が必要であると共に、進行が認められた際には小細胞癌に準じた化学療法を考慮すべきであると思われる。

 

 

 

 

21.腹腔鏡下膀胱部分切除術の3例の検討

藤田雅一郎、宮地禎幸、金 星哲、薬師寺宏、大平 伸、清水真次朗、福元和彦、

海部三香子、常 義政、藤井智浩、横山光彦、永井 敦(川崎医大)

 

今回、膀胱の腫瘍性病変に対して腹腔鏡下膀胱部分切除術を行った。

【症例1.Inflammatory myofibroblastic tumor60歳、女性。【症例2.Urachal adenocarcinoma18歳、男性。【症例3.Bladder paraganglioma79歳、女性。

手術は全例砕石位で行った。アプローチは腫瘍の部位に応じて変更し、症例12は経腹膜的アプローチで、症例3は腹膜外アプローチで行った。膀胱鏡併用し、膀胱尿が外へ出ないように空気にて膀胱を膨らませ、腫瘍への切り込みに注意し、膀胱鏡を併用し病変部位及び範囲を拡大モニターで確認しながら切除を行った。腫瘍切除後の膀胱は3-0 V-Locで連続縫合を行った。症例2は骨盤内リンパ節廓清術も併せて行った。いずれも断端陰性であった。

いずれの症例も術1週間後に膀胱造影でleakが無い事を確認し留置カテーテルを抜去し退院した。若干の文献的考察を交えて報告する。

 

 

 

22.腎盂尿管移行部狭窄症に対しAnderson-Hynes法によるロボット補助下腎盂形成術の

1例 〜 本邦 第1例目報告

小林泰之、荒木元朗、佐々木克己、江原 伸、渡辺豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)

 

【緒言】1993年にSchusslerらが報告した腎盂尿管移行部狭窄症(以下:UPJO)に対する腹腔鏡下腎盂形成術(Laparoscopic PyelopastyLPP)は鏡視下の低侵襲性を維持しつつ、開腹手術と匹敵する手術方法と認知されている。しかし、難易度の高い術式であり、広く普及しているとは言い難い状況である。一方、体腔内での縫合結紮を得意とするロボット手術に普及に伴い、ロボット補助下腎盂形成術(RAPP)はLPPの弱点を補う手術法として海外を中心に広く行なわれつつある。現在、保険診療としてRAPPを行なうことはできないが、本年7月当院倫理委員会の承認を受け、当院は自由診療としてRAPP施行可能な状況にある。【症例】23歳、男性。本年4月背部痛を主訴に近医を受診。精査の結果、左腎盂尿管移行部狭窄症と診断。MAG3による腎シンチでは無機能型の所見であったが、CT検査上腎実質の萎縮は軽度であること、また有症状であることから手術適応と判断、手術目的に当院紹介受診、RAPPを施行した。手術時間4時間20分(コンソールタイム:2時間40分)、出血量:少量。手術手順:@D-Jステント挿入A右側臥位に体位Bトロカー挿入C腹膜切開し後腹膜腔を展開D尿管剥離、狭窄部を露出E狭窄部切除F縫合G腹膜縫合修復H閉創。術後経過は良好でPOD6に退院。実際の発表では、手術動画を供覧しつつ、LPPRAPPの相違点に関して考察する。

 

 

23.TVM術後にメッシュ除去術を施行した2例

佐古智子、高本 均、塩塚洋一、市川孝治、山本康雄、石戸則孝(倉敷成人病)

横山昌平(同・内科)

 

当科では200612月より骨盤臓器脱に対しTVM手術を行っている。201211月までに 308人に対し同手術を施行したが、このうち2例でメッシュ除去術を要した。この2症例について若干の考察を加えて報告する。【症例177歳女性、既往に高血圧、腰椎ヘルニアあり。膀胱瘤grade3、子宮脱grade2、直腸瘤grade0に対し20073月に当科でA-TVM手術施行した。術後12日目に退院したが、退院後も血性帯下が持続していた。術後20日目の外来診察で創離解を認めたため術後21日目にメッシュ除去術を施行した。術後9ヶ月目に再発を認め、12ヶ月目に再手術を要した。【症例279歳女性、既往は特になし。完全子宮脱(膀胱瘤grade3、子宮脱grade4、直腸瘤grade1)に対し20118月に当科でAP-TVM手術施行した。術後4日目に38度台の発熱あり、5日目のCT検査で骨盤部膿瘍を疑った。抗生剤投与でも解熱を認めず、術後8日目に膣前壁縫合部からの排膿を認めたため同日メッシュ除去術を施行した。メッシュ除去後は速やかに解熱した。術後16ヶ月経過時点で骨盤臓器脱の再発は認めていない。

 

 

 

 

24.前立腺肥大症に伴う下部尿路症状(LUTS)に対するナフトピジルとシロドシンの臨床効果比較試験−NPO法人岡山泌尿器科研究支援機構多施設共同前向き比較試験−

渡辺豊彦、和田耕一郎、佐々木克己、公文裕巳(岡山大)

横山光彦、永井 敦(川崎医大)真鍋大輔、武田克治(香川県立中央)

小野憲昭(高知医療センター)小武家誠(岩国医療センター)

藤田竜二(岡山医療センター)

 

【目的】α受容体遮断薬であるナフトピジル(Naf)、タムスロシンは,LUTSに対する改善効果は証明されている。α1Aサブタイプにさらに高い選択性を持つシロドシン(Si)LUTSに対する改善に強い効果を示す反面,前出の2薬剤に比し,射精障害の発現が効率であると報告されている。今回我々は,性的にアクティブで性行為,自慰行為のあるLUTSを呈するBPH患者を対象に,NafおよびSi投与によるLUTSの改善と副作用である射精障害がQOLにどのような影響を及ぼすか臨床的に比較検討した。 【対象と方法】夜間排尿回数が2回以上の患者を対象とし, Naf 75mgSi 8mgを各8週間投与しLUTS,射精障害について検討した。射精障害が発現した場合,クロスオーバー比較試験を行った。【結果】初回治療登録がNaf14例,Si20例であった。両群ともに投与後8週で有意にIPSSQOLスコアは改善した。夜間排尿回数もNaf群,Si群でそれぞれ1.20.8回減少した。性行為回数に両群で差は認めないものの,Sil群で有意に高率に射精違和感を認め(70.0% vs 20.0%),射精満足度も低かった。【考察と結論】Naf群,Si群両群ともに速やかに排尿症状を改善させたが,射精違和感のため全般的な満足度においてNaf群が高い傾向を認めた。