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日本泌尿器科学会岡山地方会

プログラム・予稿集


日 時:平成25929日(日) 午後2

場 所:地域医療人育成センターおかやま

       MUSCAT CUBE 3F MUSCAT Hall

       岡山市北区鹿田町251
 
       岡山大学鹿田キャンパス内

       TEL (086)223-7151(内線6126

 

参加者の皆様へ

1.受付は会場入口で行ないます。会員証に出席証明の捺印を致します。

2.要望演題は講演時間7討論時間5でお願いします。

3.コンピュータープレゼンテーション演題はファイルをフラッシュメモリーにコピーして,

926日(木)までに,事務局に送付して下さい。動作の確認をします。もし,変更が

ありましたら,当日フラッシュメモリーをご持参下さい。Eメールで8M以上のファイル

を送付されますと,岡山大学のメールサーバーが不具合となりますので,ご遠慮下さい。

4.PowerPoint以外のソフトで作成した図,グラフや動画を挿入している場合には,コンピ

ューターの環境により表示されないことがありますのでご注意下さい。特に動画を挿入

されている場合には,コピー元ファイルも必要です。

5.会場での質疑応答は,座長の許可を受けた上で,必ず,所属,氏名を明らかにしてから

ご発言下さい。

6.予稿集には予備がありませんので,必ずご持参下さい。

7.事前にお送りいただいた発表スライドをやむを終えず変更する場合は当日学会開始20分前までに差替えて下さい。

8.今回は地方会終了後引き続き「第8回岡山泌尿器科手術手技研究会」を行います。

日医生涯教育制度

 単    位:1.5単位

 カリキュラムコード:2[継続的な学習と臨床能力の保持],

5[医師—患者関係とコミュニケーション],

65[排尿障害(尿失禁・排尿困難)]/td>



プログラム

要望演題 14:0015:40

『限局性前立腺癌に対する治療』
コメンテーター 鳥取大学医学部器官制御外科学講座 

腎泌尿器学分野 教授 武中 篤 先生

座長  那須良次(岡山労災)

江原 伸(岡山大)

1.岡山医療センターにおける病期B前立腺癌の治療法の推移

山崎智也、山下真弘、藤田竜二、津島知靖(岡山医療センター)

2.川崎医科大学附属病院での限局性前立腺癌に対する高線量率組織内照射(HDR-BT)の検討

高原 絢1)、常 義政1)、高崎宏靖1)、平田啓太1)、金 星哲1)、福元和彦1)

海部三香子1)、藤井智浩1)、横山光彦1)、宮地禎幸1)、平塚純一2)、永井 敦1)

(川崎医大・泌尿器科1、同・放射線治療部2

3.鳥取市立病院における腹腔鏡下前立腺全摘術の初期治療成績

西山康弘、倉繁拓志、山根 享、早田俊司(鳥取市立)市川孝治(倉敷成人病)

4.当院における腹腔鏡下前立腺全摘術のlearning curveについて

市川孝治1)、山本康雄1)、塩塚洋一1)、佐古智子1)、横山昌平2)、石戸則孝1)、高本 均1)

(倉敷成人病・泌尿器科1)、同・内科2)

5.恥骨後式前立腺全摘除術の困難さを規定する骨盤・前立腺の形状に関する検討

那須良次、佐古真一(岡山労災)杉本盛人(岡山大)小野憲昭(高知医療センター)

安東栄一(岡山赤十字)倉繁拓志(鳥取市立) 

6.当科における根治的前立腺全摘除術の治療成績

佐古真一、那須良次(岡山労災)高本 篤、杉本盛人(岡山大)

7.広島市民病院における限局性前立腺癌治療の変遷

小泉文人、河内啓一郎、弓狩一晃、枝村康平、日下信行、雑賀隆史(広島市民)

8.泌尿器科臨床診療のための患者説明用アプリケーションと限局性前立腺癌診療への利用

杉本盛人、谷本竜太、和田耕一郎、佐々木克己、小林泰之、荒木元朗、江原 伸、渡辺豊彦、

那須保友、公文裕巳(岡山大)

<休憩>

16001800

8回岡山泌尿器科手術手技研究会

要望演題

1.岡山医療センターにおける病期B前立腺癌の治療法の推移

山崎智也、山下真弘、藤田竜二、津島知靖(岡山医療センター)

 

【目的】PSAの普及に伴い限局性前立腺癌と診断される患者は年々増加している。また今後もますますその数は増加してくることが予想される。今回我々は当院における病期B前立腺癌の治療法の推移について臨床的検討を行ったので報告する。

【対象】200111日〜20121231日までに当院にて初期治療を開始した病期B前立腺癌患者566(年齢:4992, 中央値72)を対象とした。治療方法は主たる治療方法として手術療法, アンドロゲン除去療法(以下ADT), 放射線療法,待機療法,不明に分類した。

【結果】566例の病期の内訳は病期B0 297, B1 198, B2 71 例であった。治療法の内訳は手術療法 293(51.8), ADT 189(33,4), 放射線療法35(6,2),待機療法39(6,9),不明10例(1,7%)であった。各年毎では手術療法(10-40,中央値 24,5), ADT(5-27,中央値 17,5), 放射線療法(0-6,中央値 4), 待機療法(0-12,中央値 4)であった。

【考察】当院においては限局性前立腺癌患者の初期治療として過半数は手術療法を選択された。当院における病期B前立腺癌の治療法の推移についての臨床的検討を行い報告する。

2.川崎医科大学附属病院での限局性前立腺癌に対する高線量率組織内照射(HDR-BT)の検討

高原 絢1)、常 義政1)、高崎宏靖1)、平田啓太1)、金 星哲1)、福元和彦1)

海部三香子1)、藤井智浩1)、横山光彦1)、宮地禎幸1)、平塚純一2)、永井 敦1)

(川崎医大・泌尿器科1)、同・放射線治療部2)

当院では限局性前立腺癌に対して、199710月より外照射と併用でHDR-BTを施行している。20063月より外照射を2.3Gy×16回の照射から3Gy×13回の照射へ変更し、HDR-BT1回照射線量も6Gyから910Gyにあげた。それにより、照射回数を4(2日間)から2(1)へ減らし、アプリケーター針の留置時間も30時間から6時間に短縮したレジメンとなった。今回、20136月までにHDR-BT治療後1年以上の経過観察が可能であった症例について検討したので報告する。

症例は464例、年齢は48-84歳で中央値69歳、NCCNのリスク分類で高リスク群223例、中リスク群177例、低リスク群64例であった。再発は高リスク群で16例、中リスク群で6例、低リスク群で1例であった。癌死は高リスク群での1例のみであった。

外科的治療が必要な早期合併症としては直腸損傷が2例であり、一時的人工肛門を造設した。晩期合併症としては尿道狭窄が18例に認められ、うち17(22)に内尿道切開術を施行し、1例は膀胱瘻管理となった。直腸膀胱瘻が1例に認められ、現在、人工肛門・膀胱瘻管理中である。

3.鳥取市立病院における腹腔鏡下前立腺全摘術の初期治療成績

西山康弘、倉繁拓志、山根 享、早田俊司(鳥取市立)市川孝治(倉敷成人病)

【目的】20103月から20138月に当院で前立腺癌に対し腹腔鏡下前立腺全摘術(LRP)を施行した67例の治療成績を検討した。【対象】手術法は全例腹膜外アプローチにて行った。年齢は54-75(中央値69)歳、BMI18.0-31.3(中央値22.7)、診断時PSA値は2.813-87.840(中央値7.302)、臨床病期はT1c/T2a/T2b/T2c/T3a : 23/13/6/23/2例、生検時のGleason score6以下/7/8以上:37/21/9例であった。【結果】手術時間は173-561(中央値291)分、出血量は尿込み20-2455(中央値550ml、同種血輸血は1例に要した。摘出重量は18.5-130.0(中央値37.5gであった。術中合併症として直腸損傷は認めず、開腹移行症例は2例(3.0%)であった。被膜浸潤は30例(44.8%)、切除断端陽性は21例(31.4%)であった。周術期合併症として、骨盤内リンパ嚢腫4例、吻合部縫合不全3例、骨盤内血腫1例、腸管瘻1例、膀胱タンポナーデ1例を認めた。カテーテル留置期間は5-47(中央値7)日で、尿禁制に関しては、術後3か月でパッド1/日以下になった症例は56.7%(34/60症例)であった。【結語】当科でLRPは比較的安全に施行できており、今後も症例を蓄積し検討していく予定である。

4.当院における腹腔鏡下前立腺全摘術のlearning curveについて

市川孝治1)、山本康雄1)、塩塚洋一1)、佐古智子1)、横山昌平2)、石戸則孝1)、高本 均1)

(倉敷成人病・泌尿器科1)、同・内科2)

【目的】当院は201281日に腹腔鏡下前立腺全摘術(LRP)の施設認定を取得した。現在4名の術者で同手術を施行しておりlearning curveを検討したので報告する。

【対象・方法】20125月から7月までの施設認定に必要な10症例を含めて、20137月までの約1年間におけるLRP症例71例を対象とした。後ろ向きに、各術者における手術時間、出血量、手術の各ステップに要した時間、合併症を検討した。なお、各ステップとは、ポート作成、リンパ節郭清、膀胱頸部切断、精嚢剥離、bunchingから尖部尿道切断、前立腺遊離から体外摘出、後壁補強、膀胱尿道吻合である。

【結果】4名の術者(ABCD)の手術時間中央値は、それぞれ238333263326.5分で、各術者とも症例を積み重ねるにつれ手術時間は短縮していた。勃起神経温存群と非温存群では、すべての術者で温存群の手術時間が延長していた。出血量(尿込み)中央値は、それぞれ425475400675mlで、温存群の方が出血量も多く認められた。各ステップでは、特に膀胱頸部切断や膀胱尿道吻合においてlearning curveが得られていた。合併症は、直腸損傷、吻合部尿漏れ、術後lymphoceleがそれぞれ2例、左水腎症、膀胱損傷、右下肢しびれをそれぞれ1例に認めた。

【結論】腹腔鏡下前立腺全摘術は多くの縫合操作が必要であり、術者の日々の鍛錬とともに助手との連係も重要である。症例を重ねるにつれlearning curveが得られているが、さらに成績向上に向け努力していく必要がある。

5.恥骨後式前立腺全摘除術の困難さを規定する骨盤・前立腺の形状に関する検討

那須良次、佐古真一(岡山労災)杉本盛人(岡山大)小野憲昭(高知医療センター)

安東栄一(岡山赤十字)倉繁拓志(鳥取市立) 

【目的】骨盤、前立腺の形状をMRIで評価し、手術の困難さとの関連を検討した。【対象と方法】2003年から2010年までに行った前治療のないcT3以下の全摘症例147例(平均年齢67歳)。骨盤の形状として、恥骨上縁のレベルでの横幅wcm)、奥行きd(cm)、断面積0.785×w×dcm2)、恥骨の傾きの指標として恥骨結合部での恥骨後面と前立腺部尿道の交わる角を恥骨前立腺角、前立腺の形状の指標として横径acm)、縦径bcm)、長さccm)、前立腺の最大割面積0.785×a×bcm2)、体積0.52×a×b×ccm3)を採用し、いずれも MRI上で計測した。また、手術の難易度の指標として出血量を採用し、各パラメーターと出血量との相関を検討した。【結果】各パラメーターの平均は、骨盤の横幅、9.6cm、奥行き、11.5cm、断面積、87.2cm2、恥骨前立腺角、21°、前立腺の横径、4.7cm、縦径、3.5cm、長さ、3.6cm、割面積、13.1cm2、体積、32.3cm3であり、出血量と各パラメーターとの相関係数は、それぞれ、-0.025-0.064-0.050-0.2810.1700.2130.2920.2140.280であった。【結語】出血量は恥骨前立腺角と不の相関、前立腺の長さ、体積とは正の相関を弱いながらも示し、操作腔の狭い恥骨前立腺角の小さな症例や前立腺の大きな症例における手術の困難さを支持する結果であった。

6.当科における根治的前立腺全摘除術の治療成績

佐古真一、那須良次(岡山労災)高本 篤、杉本盛人(岡山大)

当科にて20088月から20128月までに根治的前立腺全摘除術を施行した前立腺癌症例82例のうち、術前内分泌療法施行例とリンパ節転移陽性例とフォローアップできていない症例を除いた74例を対象とした。

平均年齢69.8歳、診断時平均PSA 12.7ng/ml、観察期間は12-49か月(平均37.6か月)であった。

D’Amicoのリスク分類,病理学的因子、病期、GS,断端陽性別に術後PSA再発について検討をした。

術前リスク分類では低//高リスク群ではそれぞれ29/31/14例であった。

pT2症例29例中11,pT3症例45例中15例でPSA再発を認め術後PSA再発までの期間は平均19.6か月であった。

断端陽性25例ではPSA再発を11例で認めており、pT2症例で5例中2例、pT3症例で20例中9例であった。GS6以下は15例中4例、GS7 8例中5例、GS8以上は2例中2例、再発までの期間は平均14.6か月であった。

7.広島市民病院における限局性前立腺癌治療の変遷

小泉文人、河内啓一郎、弓狩一晃、枝村康平、日下信行、雑賀隆史(広島市民)

 限局性前立腺癌に対する治療にはいくつもの選択肢があり、年齢・併存症や進行度を含め患者の希望も踏まえ決定する必要があるが、単一施設でそのすべてを網羅することは事実上不可能と考える。現在当院で実施できる選択肢としては待機療法・放射線外照射(IMRT)・開腹での前立腺全摘・腹腔下前立腺全摘(LRP)・ロボット支援下前立腺全摘(RALP)・内分泌療法がある。待機療法・IMRTを行った患者数はここ3年それぞれ10人前後・15人前後で推移しており大きな変化は無い。内分泌療法は80歳以上の高齢者中心に行っており、その数は30人程度で推移している。もっとも大きな変化があったのは手術療法で、2011年6月よりLRPを開始してからは開腹手術が激減し、さらに20129月にRALPを開始した。RALP希望患者が近隣施設より紹介され待機期間が延びたこともあり、2013年3月よりRALPを週3件行うようになった。現在LRPも激減しており、前立腺全摘はほぼすべてRALPで行っている。変遷の経過とその問題点について報告する。

8.泌尿器科臨床診療のための患者説明用アプリケーションと限局性前立腺癌診療への利用

杉本盛人、谷本竜太、和田耕一郎、佐々木克己、小林泰之、荒木元朗、江原 伸、渡辺豊彦、那須保友、公文裕巳(岡山大)

臨床の現場において、治療方針や病状に関する患者説明は紙媒体を用いることが主流であったが、近年は動画や模型といたツールを用いての患者説明も行われるようになっている。さらにここ数年でiPadといったような携帯用情報端末が普及し、医療の現場でも使用されるようになっている。

現在我々は、泌尿器科臨床の現場において必要な資料を統一し、イラスト、文章、写真、動画が連動した説明用ツールを作成することを目的とし、iPadのアプリケーションとして患者説明用アプリの開発を行ってきた。

アプリケーションは排尿障害、性機能、不妊、女性泌尿器、悪性腫瘍、腎移植など、泌尿器科臨床領域をほぼすべて網羅する内容で今年度の完成を目指して開発中である。今回は前立腺癌の診断、治療方針における説明資料や密封小線源療法、ロボット手術の説明用動画資料など実際のアプリの一部を紹介し、実際の臨床現場での利用法などについて説明する。