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セカンドオピニオンとは、自分の診療内容や治療法について、担当医以外の医師に意見を求めることです。
自らの治療に対して患者様自身が最良の方法を選択するため、私たちのセカンドオピニオン外来をご利用ください。

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精巣腫瘍

精巣腫瘍とは

睾丸に発生する腫瘍で、90%以上が悪性腫瘍と言われています。 精巣腫瘍の発生率は、人口10万人当たり1-2人と比較的まれな腫瘍で、発症年齢は働き盛りの20-30歳代と、乳幼児時に小さなピークをもつ二峰性を示します。 精巣腫瘍の30%は転移を有する進行性精巣腫瘍ですが、全体として抗癌剤による化学療法が著効し、転移のある症例でも系統的治療にて80%を治癒に導くことができることが最大の特徴です。

原因

精巣腫瘍の発生には遺伝因子と環境因子が関わっており、人種の差、家族発生、エストロゲンなど胎内ホルモン環境や母親の喫煙など出生前における影響、未熟児や低体重児・停留精巣や環境ホルモン被爆など出生から思春期における影響など多くの因子が関わっていると言われています。

症状

無痛性の睾丸腫大や硬結が主な症状です。痛みがなく、場所的な恥ずかしさから受診が遅れ進行してしまうことがあります。また進行性の精巣腫瘍の場合は、陰嚢所見だけではなく転移部位によるさまざまな症状を伴うことがあります。早期治療するために恥ずかしがらないで早めに受診することが大切です。

種類

1. セミノーマ

精巣腫瘍の50%以上を占める組織型です。放射線治療に対する感受性が高い腫瘍です。

2. 非セミノーマ

胎児性がん・卵黄嚢腫瘍・絨毛がん・奇形腫や、それぞれが混在したものなどで、セミノーマより転移を起こしやすく悪性の経過をたどることが多いです。セミノーマと、非セミノーマが混合する場合は非セミノーマとして取り扱います。

精巣腫瘍の診断

医師による触診、腫瘍マーカーや、超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査などの画像検査が必要となることがあります。組織の確定診断は、摘出した精巣の病理学的検査と、血液検査による腫瘍マーカーにて行います。

血液腫瘍マーカー検査

病期分類

治療方針を決定する上で大切な分類です。

日本泌尿器科学会病期分類 第3版

U期以上を、進行癌と呼びます。

I 期 腫瘍が精巣、精巣上体、精索に限局し、転移のないもの
II 期 横隔膜より下のリンパ節のみ転移を有するもの
II A 後腹膜リンパ節転移巣が5cm未満のもの
II B 後腹膜リンパ節転移巣が5cm以上のもの
III 期 横隔膜より上のリンパ節転移、遠隔転移を有するもの
IV 期 III 0 精巣摘除後も腫瘍マーカーが陰性とならないもの
III A 縦隔、鎖骨上リンパ節転移あり
III B 肺に遠隔転移あり(4個以下で径2cm未満)
B1 肺の転移巣が4個以下でかつ長径が2cm未満のもの
B2 肺の転移巣が5個以上、または長径が2cm以上のもの
III 肺以外の臓器にも転移を認める

精巣腫瘍の治療法(病期分類別)

I 期

精巣腫瘍を摘出する手術(高位精巣摘出術)を行います。 組織型によっては再発を起こしやすい部位への放射線治療を追加したり、抗がん剤を用いた化学療法による補助療法を行うことがあります。 また補助治療を行わず経過観察することもあります。

II期・III期

精巣摘出後に抗がん剤による化学療法や、放射線治療、転移部位の切除手術を行います。精巣腫瘍は大動脈周囲の後腹膜リンパ節に転移を起こしやすく、このリンパ節を診断的、治療的に切除する後腹膜リンパ節郭清術(RPLND)を行うことがあります。当院では腹腔鏡を用いて手術を行うため、創が小さく、疼痛も少ないのが特徴です。また青壮年期の患者様が多いため、手術の合併症である射精障害を予防する目的で神経を温存する手術を行っています。

精巣腫瘍は、抗がん剤や放射線治療が非常に有効であるため、転移があったとしても適切な治療により根治を望める数少ない固形がんです。当院では複数領域の医師による集学的治療を行うことが可能で、がん診療連携拠点病院として経験も多く、適切な治療を行うことが可能です。本疾患にてお悩みの方は遠慮なくご相談ください。