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教室員募集について

岡山大学医学部泌尿器科では新年度 入局員を 大募集しています。卒業校、年齢、性別などは全く問いません。卒後臨床研究を終了された医師を歓迎します。当科に興味のある方は是非ご連絡下さい。 詳しい研修プログラムなどは、こちらをご覧下さい。

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遺伝子治療(受付終了しました)


Reduced Expression in Immortalized Cells/Dickkopf-3(REIC/Dkk-3)
遺伝子発現アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療臨床研究(終了)

REIC遺伝子発現アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療は、癌細胞だけを選択的に死滅させる作用と宿主の抗腫瘍免疫を増強させる作用が同時に期待できる新しい治療法です。

Reduced Expression in Immortalized Cells/Dickkopf-3(REIC/Dkk-3)遺伝子は2000年岡山大学で発見された新しい癌抑制遺伝子です。REIC遺伝子は正常な細胞では普通に発現していますが、種々の癌細胞でその発現が低下しており、これらの癌細胞にREIC遺伝子を発現させると、癌細胞選択的にアポトーシス(死滅)が誘導されました。

REIC遺伝子発現アデノウイルスベクターの前立腺癌に対する有効性は、岡山大学の研究チームによって初めて確認されました。マウス前立腺癌同所移植モデルを用いた前臨床試験において、ヒトREIC遺伝子発現アデノウイルスベクターの局所投与による局所前立腺腫瘍の発育抑制さらに肺転移、リンパ節転移の抑制および生存期間の延長効果を確認し、原発巣のみならず、転移病巣の治療をも目的としたREIC遺伝子の局所投与の有用性を明らかにしました(Cancer Gene Therapy 14: 765-72, 2007)。

その後の一連の動物実験において、様々な癌腫で、REIC遺伝子を発現させることにより、
(1) 遺伝子を投与した局所における癌細胞選択的なアポトーシス誘導が確認されるとともに、
(2) 全身における腫瘍免疫の増強効果(抗がん免疫の活性化)も確認されました。
また、治療実験および安全性実験などの動物実験においては、問題となるような有害事象は発生していません。

これらの基礎研究結果をふまえ、当科では、以下の2つの病態に対して、REIC遺伝子治療臨床研究を実施すべく、学内で実施承認後、国への申請作業を実施し、平成22年12月22日認可されました。そこで平成23年1月25日に、第一例目の患者様に対して治療を開始し、平成23年7月現在までに9名の患者様に治療を実施しています。

(1) 内分泌療法抵抗性再燃前立腺癌(転移を含む)

種々の内分泌療法に抵抗性となった状態です。現在、抗癌剤(ドセタキセル)が標準的治療になりつつありますが、いまだ決め手となる治療法がなく、本遺伝子治療の成果が期待されています。

(2) ハイリスク初発限局性前立腺癌

限局性前立腺癌と診断され、根治手術が検討されていますが、術後再発のリスクが高いと判断されている状態です。手術前に遺伝子治療を行い、その後通常の根治手術を行います。これまでに術前療法として、内分泌療法や抗癌剤、分子標的薬などが用いられたことがありますが、いずれも再発率を低下させることはできませんでした。本遺伝子治療によって、術後の再発率が低下することが期待されています。

REIC遺伝子治療の抗がんメカニズム

(1) がん細胞の選択的細胞死のメカニズム

REICを腫瘍内に局所投与し強制発現させることで、REIC の発現が抑制されているがん細胞が小胞体ストレスに起因するがん細胞選択的細胞死を起こすためであることが、前立腺がん細胞と悪性中皮腫同所性マウスモデルで解明されました(Cancer Res. 2005; 65:9617, Cancer Res. 2008; 68:8333)。

(2) 抗がん免疫の活性化メカニズム

精製したREIC タンパク質での実験で、同タンパク質が抗がん活性を有し、樹状細胞様細胞を誘導することで、がん細胞を攻撃する細胞障害性T細胞(CTL)が増強される(Int’lJ. Oncol. 2009; 657) と共に、アデノREICの局所腫瘍内投与により腫瘍組織内間質細胞などからのIL-7の産生によるナチュラルキラー細胞(J. Biol.Chem. 2009; 14236) の活性化が、CTL では攻撃できないがん細胞を殺傷する「二重の効果」によるものであることが解明されました。

IL-12 遺伝子発現アデノウィルスベクターを用いた遺伝子治療臨床研究(終了)

IL-12 遺伝子発現アデノウィルスベクターを用いた遺伝子治療は免疫遺伝子治療です。免疫遺伝子治療とは癌細胞の免疫原性を高め、宿主の抗腫瘍免疫(主に細胞性免疫)を増強することを目的とした治療法です。

IL-12遺伝子発現アデノウイルスベクタ−の前立腺癌に対する有効性は、当科の那須保友らにより初めて確認されたものです(Gene Therapy 6:338,1999)。マウス前立腺癌同所移植モデルを用いた前臨床試験において、マウスIL-12遺伝子発現アデノウィルスベクターの局所投与による局所前立腺腫瘍の発育抑制さらに肺転移、骨転移の抑制および生存期間の延長効果を確認し、転移病巣の治療を目的としたIL-12遺伝子の局所投与の有用性を明らかにしました(Cancer Gene Ther. 13:91,2006)。

一連の研究において、様々な癌種に対しIL-12の用量依存的な殺細胞効果や転移抑制効果、持続的免疫反応が示されています。
また治療実験および安全性実験等の動物実験においては問題となるような有害事象は発生していません。これらの基礎研究結果を踏まえ、米国では共同研究施設である米国ベイラー医科大学においてIL-12遺伝子発現アデノウイルスベクタ−を用いた臨床研究が2004年5月より開始されました。

当科において学内での実施承認をうけた内分泌療法抵抗性再燃前立腺癌(転移癌を含む)を対象とした臨床研究を実施すべく、国への申請作業を実施し、平成20年2月に厚生労働大臣の正式な承認が下りました。

そこで、平成20年5月13日に第一例目の患者様に対して治療を開始し、平成22年3月現在までに10名の患者様に治療を実施しています。

自殺遺伝子を用いた前立腺癌の遺伝子治療臨床研究 (終了)

「前立腺癌に対するHerpes Simplex Virus-thymidine kinase 遺伝子発現アデノウイルスベクター及びガンシクロビルを用いた遺伝子治療臨床研究」を実施しました。
対象となる被験者は、内分泌療法中に再燃してきた、臨床的に遠隔転移を認めない局所再燃前立腺癌としました。
まずHerpes Simplex Virus-thymidine kinase (以下:HSV-tk)遺伝子発現アデノウイルスベクタ−を単独で腫瘍内に直接投与し、その後ガンシクロビル(GCV)を全身投与しました。

本研究は2001年3月より第1例目の被験者の治療を開始し、平成17年7月に最終登録例である9例目の被験者の治療を実施し、6ヶ月以上観察し、臨床試験を終了としました(8名のべ9症例)

症例すべてにおいて有意な副作用を認めませんでした。
また、ウイルスベクター投与後の抗アデノウイルス中和抗体価の上昇は軽度でかつ一過性でした。
ウイルスベクター投与後、48時簡において採取した組織においてmRNAレベルでのHSV-tk遺伝子の発現が確認されました。治療効果の指標として腫瘍マーカーであるPSAは9例中6例において低下しました。

結論として局所再燃前立腺癌に対し、HSV-tk遺伝子発現アデノウイルスベクタ−を単独で局所内投与し、その後ガンシクロビル(Ganciclovir:GCV)を全身投与することの安全性および治療効果が確認されました。